2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳局所神経回路における回路トポロジーの自己組織的制御メカニズム
Project/Area Number |
19500256
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
片山 統裕 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20282030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辛島 彰洋 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (40374988)
中尾 光之 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20172265)
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Keywords | 多細胞記録 / 独立成分分析 / トポロジ / 海馬 / 大脳皮質 / リアルタイム信号処理 / 機能的結合 / 自己組織 |
Research Abstract |
本研究は, 脳の局所神経回路の回路トポロジーを解析し, 脳情報処理における機能的意義を明らかにすることを目的として計画された. その実現のために, 局所神経回路トポロジーの計測システムを構築するとともに, 実験データに基づいた脳局所神経回路のモデリング, シミュレーションをおこなっている. 平成20年度においては, くし型多重電極を用いて海馬CA3領域の複数ニューロン活動記録実験を行った. この電極は, 記録点が直径およそ100μmの範囲に4つの記録点が配置された4重電極(テトロード)を100〜400μmで2〜8本並べた電極である. このくし型くし型テトロードを用いて1電極あたり約6個のニューロン活動を同時に記録することができた. 同時記録された個々のニューロン間において, 単シナプス性, および多シナプス性結合の有無を修正スパイク相互相関解析法に基づいて判定した. その判定果に基づき, CA3領域の結合マップを作成した. その結果, 自発活動時に機能しているニューロンの機能的結合は, 解剖学的に知られている結合の半分程度に過ぎないことが明らかになった. 従来のスパイク相互相関解析に基づく結合判定法では, シナプス結合強度を推定できないという問題があった. そこで, 同時に記録されたニューロンの活動電位発生時系列からシナプス結合強度を推定するための新しい手法を開発した. これはニューロンの入出力特性の確率モデルに基づく方法であり, 従来の修正スパイク相関解析法の自然な拡張となっている. 海馬CA3領域で記録された実験データへ本手法を適用することによって, その有用性を明らかにした.
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Research Products
(12 results)