2007 Fiscal Year Annual Research Report
連想記億モデルを用いた海馬新生ニューロンの情報論的研究
Project/Area Number |
19500257
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
伊達 章 University of Miyazaki, 工学部, 准教授 (60322707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 耕治 琉球大学, 工学部, 教授 (40170071)
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Keywords | 神経回路モデル / 連想記憶 / 新生ニューロン / 記憶容量 / 学習 / 数理モデル / ニューラルネットワーク / 脳 |
Research Abstract |
記憶の情報処理に深く関わっている海馬において,神経細胞が新たに生まれていることが最近の研究からわかってきた.新しく生まれた細胞は,記憶の情報処理にどのように貢献しているか,本研究では,「連想記憶」の数理モデルを用いて,神経細胞を失うことと生まれることの情報論的意味を明らかにすることを目的とした.初年度たる平成19年度においては,自己相関型の連想記憶モデルを用いた研究について具体的な成果が以下の通り得られた. 相関型連想記憶モデルは回路の素子数nに比例する数の記憶パターンをそれぞれ安定に保つことができる.ただし,回路が最大限記憶できるパターン数(記憶容量)を超えて,記憶しようとすると,それまでに記憶した事項すべてが想起できなくなる(カタストロフィック忘却).まず第一に,もっとも単純なモデル(素子は相互に結合,記憶パターンは各素子に確率0.5で独立に-1,1を割り当て,各素子の同時活動度合いに応じて結合係数を変化させるヘブ学習を学習アルゴリズムとして採用)について解析した.新しく生まれてくるニューロンの役割を調べるため,一つの出来事を記憶するごとに,ある一定個数の素子について,それらの素子に関わる結合係数をゼロにリセットする機能を回路に取り入れた.この機能は,古いニューロンが消滅し,同じ数だけの新しいニューロンが生まれることに対応する.このモデルの場合,素子数とは無関係に,最適な置き換わり個数が約3.2個になることが判明した.この数字について,より厳密な数学的解析もおこなった.これらの一部について「研究発表」に記した国際誌において発表した.
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Research Products
(4 results)