2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500262
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松坂 義哉 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 助教 (30312557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋 啓節 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60124583)
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Keywords | 系列反応潜時課題 / 順序動作 / 一次運動野 / ニューロン |
Research Abstract |
1).順序動作学習のモデルとして系列反応潜時課題を遂行するように二頭のアカゲザルを訓練した。次に、複数のキーを不特定順序で押す(Random)課題と、ルーチン化した一定の順序で押す(Sequence)課題をサルにさせながら一次運動野からニューロン活動を記録した。その結果、同じ要素動作(例.キー1→キー2の順に押す)でも動作がルーチン化した順序の一部として実行された時に特異的な活動を示すニューロンが一次運動野に多数(全課題関連細胞の40%)見つかった。又、RandomとSequenceにおけるこれらのニューロン活動の違いは運動速度や筋活動の違いでは説明できないことを統計的に明らかにした。従来、一次運動野は動作の順序制御より個々の要素運動の実行に関与しているとされてきたが、こうした所見は高度に運動学習が進んだ結果、一次運動野自体にも動作の順序制御に関与する神経ネットワークが構築されていることを示唆する。2).本計画とは別な研究によって前頭前野の内側部において上肢の運動に関連した領域が状況依存的に出現・消滅することを発見した。既にある上肢領域のニューロン活動が課題条件によって変わる現象はこれまでにも報告されているが、上肢領域自体が動的に再構成される現象はこれまでに報告された例がなく、大脳皮質機能地図の動態を考える上で重要な所見である。
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