2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患遺伝子DRPLAの転写調節因子としての解析
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19500266
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊達 英俊 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特任助教 (30401037)
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Keywords | 分子・細胞神経科学 / エピジェネティクス / 天然変性タンパク質 |
Research Abstract |
歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(以下DRPLA)はミオクローヌス発作、痴呆、協調運動の障害不随運動を主徴とする常染色体優性遺伝病であり、日本入に好発し、脊髄小脳変性症の中では日本では比較的頻度の高い疾患であり、その遺伝子産物であるDRPLApの機能は不明である。この疾患遺伝子産物であるDRPLApの機能解析をおこなう目的で、DRPLApの免疫沈降法により、HDAC1, HDAC2, HDAC3, NCoR1, MTG8(既報あり)と結合していることが判明した。一方、バイオインフォマティクス解析からDRPLApは天然変性タンパク質(Intrisically disorderd protein:IDP)であると予測された。この事は、DRPLApは結合タンパクと結合することで初めて安定構造を取ることを意味する。このことから、GFP-DRPLApを定常発現株に免疫沈降でDRPLApと結合していること、が確認できたタンパク質を共発現させて、WBで全長DRPLAp挙動を確認したところ、HDAC3を共発現させた時に、全長DRPLApが極めて安定化することが確認できた。同様に、HDAC3と共発現させたサンプルについてNuclear Matrix調整した場合、全長DRPLApがよりNuclear Matrixに移動することが確認できた。現在使用しているGFP-DRPLAp安定発現株のプロモータは高発現のプロモータであるため、細胞内に過剰のDRPLApを産生しているが、結合相手の分子数はDRPLApの分子数に比べて圧倒的に少ないことが容易に予測できる。この結果、GFP-DRPLApのほとんどがHDAC3と結合できずに不安定化し、WBでは全長より短いフラグメント化したDRPLApが多く見られる要因であると考える。
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Research Products
(1 results)