2007 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系におけるプロテオームの多様化創出と部位特異的発現制御メカニズムの解明
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19500269
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
武内 章英 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 助教 (90436618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 正敏 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 教授 (10208423)
黒柳 秀人 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 講師 (30323702)
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Keywords | 神経科学 / 発生、分化 / スプライシング |
Research Abstract |
選択的スプライシングとは、遺伝子を構成するパーツ(エクソン)の組み合わせを変えることにより、1つの遺伝子からいくつもの機能の異なるタンパク質のバリエーションを生むメカニズムである。しかしながらこれまでは、発生時期や臓器や細胞ごとに、個々の遺伝子がどのような内部の状況や外部刺激に反応して、またどのようなスプライシング制御因子の相互作用からなる調節を受けて、細胞や臓器全体としていかにスプライシングの調節を受けているかについては、ほとんど明らかにさていなかった。この制御の実態を調べるために、初年度は、目的とする遺伝子が受ける選択的スプライシング制御の状態を、蛍光物質にて可視化することが可能なレポーター遺伝子ベクターの開発を行い、これに成功した。このシステムは、細胞やマウスの個体で、遺伝子が受ける選択的スプライシング制御の様子を、シングル・セルレベルで、リアルタイムで可視化可能にするシステムである。これにより、目的の遺伝子が、発生時期や分化状態、細胞の機能発現のレベル、細胞へのシグナル入力の状態に応じ、異なるスプライシング制御を受けている様子を、モニターできるようになった。 このシステムを用いて、繊維芽細胞成長因子受容体の細胞腫ごとの選択的スプライシング制御のデーターを取り、その制御に関わると考えられる因子のスクリーニングを行った。さらにマウスの脳の発生時期での同遺伝子のスプライシング制御の様子のモニターをも行い、神経の分化に伴いそのスプライシング制御がダイナミックの変化する様子をとらえることに成功した。
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