2007 Fiscal Year Annual Research Report
小脳核抑制性シナプスの発達過程におけるセロトニンを介した制御機構
| Project/Area Number |
19500279
|
|---|
| Research Institution | Nippon Medical School |
|---|
Principal Investigator |
齋藤 文仁 Nippon Medical School, 医学部, 講師 (20360175)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 昌俊 日本医科大学, 医学部, 講師 (60271350)
|
|---|
| Keywords | 小脳 / 小脳核 / 抑制性シナプス / 発達変化 / セロトニン |
|---|
| Research Abstract |
本研究の目的は小脳核抑制性シナプス伝達におけるセロトニンの発達過程での役割を解明することにある。第一に、セロトニンそれ自身がどのような修飾作用を示すかを明らかにしたので現在、学術論文に投稿中である。それと同時に発達過程におけるセロトニンに対する感受性などを試験しており、次の作用が発達過程にあることが解った。
(2) GABA(A)受容体を介するシナプス応答は発達変化に伴い、そのシナプス電流のキネティクスが変化する。
(2) GABA放出抑制に関わる修飾作用は発達に伴い、セロトニン感受性が弱くなる。
(3) 小脳核主細胞を興奮させる作用は発達変化を示さない。
(1)について、薬理学、生化学的な試験の結果、受容体サブユニットの発現変化が関与していることが示唆された。(2)はシナプス終末の構造的な変化が関与している可能性を示す結果を得ている。分子生物学的に詳細を明らかに出来ないか、検討中である。これら2つの事象が、セロトニンを中心とした制御機構によって起こっているのかを現在検討中であり、新たな実験計画に移る。(3)に示したセロトニンによる興奮作用には過分極活性型陽イオンチャネルの活性化が関与することが解り、小脳からの情報の流れに重要な意味を持つと考えられる。この結果は上述の学術論文で発表する予定である。これまで、研究計画は予定通りに進捗している。個体レベルでの役割を明らかにするための実験に今後、着手する予定である。
|
