2007 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚皮質ベルト領域のコミュニケーション音による差別化
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19500291
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小島 久幸 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (00104539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 一嘉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (10168966)
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Keywords | 聴覚皮質 / 鳴き声 / 領域の差別化 / c-fos / 免疫組織化学 / モルモット |
Research Abstract |
本年度は複数ある聴覚皮質を、種特異的な鳴き声に対する反応性の違いにより差別化する準備として、モルモット(GP)の鳴き声の採取とコンピューターによるデジタル化、さらに免疫組織学的(IHC)な検定を行い、活動依存的に発現されるc-fosを検出することを目標とした。 採取はGPを防音室に入れマイクロフォンを約30-50cm離れたところに設置し、行動観察しながら記録を行った。録音は100Hzから16kHzの範囲がシステム全体としての特性であるため、DVCAMの標本化周波数32kHzを用いた。 Purrと言われる鳴き声が最も頻繁に発せられた。これは基本周波数約250Hzのハーモニクス音で、約300msのセグメントが7-10回繰り返す構造をもち、音庄は強くS/N比の良い録音を行うことができた。DVCAMに収録された音は、Final Cut Proソフト上で.wavとして保存後、System3ソフトに移行した。刺激のトリガー、鳴き声音、動物行動の映像、また必要に応じて脳波を同期して記録し、外部からの指令でこれらを刺激と反応に用いることが可能となった。 一方IHCにおいては1時間、動物が日常飼育で暴露される音を安静下で聞かせその10分後に深麻酔を施して型通りの染色を行った。市販c-fos抗体はrat脳に対して反応性が確認されているが、モルモットではまだなので、Ab-5(Oncogene社)とK-25(Santa Cruz社)の2社の製品を、濃度1000倍から5000倍の範囲で検定を行った。結果濃度1000-3000倍で聴覚皮質、帯状回、嗅皮質に強い反応陽性の核を持つ細胞が見いだされた。また採取音に対して電気生理学的な発火応答をするかどうかを調べたので学会発表を行った。また聴覚研究の米国での中心的役割を担っているカリフォルニア大学サンフランシスコ校において招待講演をうけた。
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