2008 Fiscal Year Annual Research Report
作業記憶神経回路におけるドーパミン作動性入力の分布とシナプス形態
Project/Area Number |
19500300
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
黒田 優 Toho University, 医学部, 教授 (10170135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 哲子 東邦大学, 医学部, 講師 (90224237)
横藤田 純子 東邦大学, 医学部, 助教 (80114792)
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Keywords | 前頭前野 / 視床背内側核 / ドーパミン受容体 / 電子顕微鏡 / シナプス / 抑制性ニューロン / 興奮性ニューロン |
Research Abstract |
昨年度の実験で多くの細胞に確認されたD5受容体が、どの細胞種にどの位の割合で存在しているのかを調べるために、GAD65/67、D5受容体、核(Hoechst)の3重染色を行い、共焦点顕微鏡で検索した。その結果、非GAD細胞およびGAD細胞双方の95%以上にD5受容体の存在を認めた。ニューロピルでは、錐体細胞樹状突起幹が最も密にD5受容体を有し、これから起こる棘にもD5受容体陽性を確認した。I層では錐体細胞頂上樹状突起に由来すると思われるタフトにも陽性像を認め、興奮性の錐体細胞では細胞体から樹状突起、棘、タフトに至るまでD5受容体が広く分布していることを観察した。抑制性細胞でも上述したように、細胞体のほとんどにD5受容体の存在を認めた。しかし、GAD65/67では樹状突起は染め出せず、抑制性細胞樹状突起における受容体分布は検索できないため、Parvalbumin(PV)を用いて3重染色を行った。この結果、PV陽性細胞のほぼすべてにおいて細胞体にD5受容体の陽性を認めた。細胞体や近位側樹状突起にD5受容体が密に存在する場合でも遠位側ではより疎となっていた。一方、近位側樹状突起でD5受容体が疎であるものが遠位側で密な分布を示すことはなかった。 以上の観察結果から、D5受容体は錐体細胞(興奮性ニューロン)では細胞体、樹状突起、棘、I層のタフトに至るまで広く密に分布するのに対し、抑制性ニューロンでは主に細胞体と近位樹状突起に分布し、遠位ほど疎に分布していることが明らかとなった。さらに、非GAD細胞、GAD細胞の双方とも線維や神経終末にD5受容体陽性像は確認されなかった。
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Research Products
(3 results)