2009 Fiscal Year Annual Research Report
シプナス形成におけるRPM-1シグナル伝達系で働く新規ユビチキン化関連因子の機能
Project/Area Number |
19500306
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
中田 勝紀 The Institute of Physical and Chemical Research, 発生神経生物研究チーム, 研究員 (30311351)
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / シグナル伝達 / ユビキチン / シナプス / 線虫 / 発現制御 / 発生分化 |
Research Abstract |
神経細胞同士はシナプスという特殊化された連絡構造をもっている。前シナプスは神経伝達物質を含んだシナプス小胞がドッキングし、神経伝達物質を放出する場所(アクティブゾーン)、シナプス小胞のクラスター領域および、それらを取り囲む領域(ペリアクティブゾーン)からなり、ペリアクティブゾーンに存在する分子群がシナプス形成に重要な役割を果たしていることが最近分かってきた。 線虫C.elegans rpm-1変異は前シナプスの構造異常を引き起こす。RPM-1はグアニンヌクレオチド交換因子ドメインおよびリングフィンガー・ユビキチンリガーゼドメインを持っている。RPM-1は前シナプスのペリアクティブゾーンに局在し機能している。 わたしはRPM-1のシグナル伝達を解析したところ、シナプス形成においてユビキチンリガーゼRPM-1がDLK-1をユビキチン化依存性分解することによって、DLK-1-MKK-4-PMK-3のp38 MAPキナーゼ経路を負に制御していることを明らかにした。 本研究ではさらにシナプス形成におけるRPM-1シグナル伝達についての研究を行った結果、ユビキチン結合酵素(E2 or UBC)に似た構造をもったUEV-3(UBC variant)がPMK-3と結合してシナプス形成において機能していることが分かった。このことから、UEV-3はPMK-3と転写因子やタンパク質リン酸化酵素などの下流因子と結合することによって、足場タンパク質(Scaffolding)として働いていることが推測された。
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