2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子イメージング法を用いたアルツハイマー病の治療薬の開発と評価
Project/Area Number |
19500307
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古川 勝敏 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30241631)
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Keywords | アルツハイマー病 / PET / アミロイド |
Research Abstract |
平成19年度、申請者等はビーエフ研究所との共同研究を通じて脳内蓄積Aβの定量化を目的としたPETプローブの開発を継続しておこなった。2672種類の化合物のスクリーニングをおこない、103種類のヒット化合物を確認した。これらのヒット化合物の最適化を進めた結果、BF-108、BF-145、BF-168などのAβ画像化用PETプローブ候補化合物の開発に成功した。Aβ計測用の最適化プローブであるBF-227については<11>^Cや<18>Fによる標識合成法を確立し、合成Aβとの結合親和性、アルツハイマー病脳病理切片における染色性、脳血液関門透過性、アルツハイマー病動物モデルにおける投与実験等の前臨床的評価を通じて、PETプローブに適した化合物であることを確認した。毒性試験、安全性薬理試験も終了し、学内の薬剤委員会、倫理委員会の承認も得て、パイロットスタディを開始した。これまでのPET計測データから、本化合物の脳血液関門透過性は高く、かつAβの蓄積していない健常者の脳からは速やかに排出され、非特異的結合も少ないことが確認された。一方アルツハイマー病の患者の脳においては<11>^C-BF-227の集積が有意に増加することが確認された。また軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)の患者においては健常者とアルツハイマー病患者の中間の集積が得られた。これの貴重な成果を今後は各種治療薬の効果判定に利用していく予定である。
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Research Products
(6 results)