2009 Fiscal Year Annual Research Report
分子イメージング法を用いたアルツハイマー病の治療薬の開発と評価
Project/Area Number |
19500307
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古川 勝敏 Tohoku University, 病院, 准教授 (30241631)
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Keywords | アルツハイマー病 / PET / アミロイド |
Research Abstract |
平成21年度、毒性試験、安全性薬理試験の終了後、学内の薬剤委員会、倫理委員会の承認も得て、パイロットスタディを開始した。これまでのPET計測データから、本化合物の脳血液関門透過性は高く、かつamyloidβpeptide(Aβ)の蓄積していない健常者の脳からは速やかに排出され、非特異的結合も少ないことが確認された。一方アルツハイマー病の患者の脳においては^<11>C-BF-227の集積が有意に増加することが確認された。また軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment : MCI)の患者においては健常者とアルツハイマー病患者の中間の集積が得られた。さらにはMCIの症例においてBF-227の集積が高い症例はその後アルツハイマー病へのコンバージョンの可能性が高く、集積が低い症例はアルツハイマー病へのコンバージョンの可能性が低いことが明らかになった。さらにBF-227-PETを施行した症例にFDG-PETも施行し、BF-227とFDGの集積値が負の相関を示す事が明らかになった。 今後はさらに症例数を増やしてアルツハイマー病の早期、及び発症前診断の精度を向上させる予定である。また各種、降圧剤、スタチン、漢方薬を服用している患者におけるAβの沈着を詳細に検討していく。 本研究が実現化した暁には、アルツハイマー病の発症前診断、進行とAβの沈着の関連が明らかになり、今後の治療薬、治療法の開発、評価に大きく寄与するものと考える。
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Research Products
(12 results)