2008 Fiscal Year Annual Research Report
大規模ゲノム関連解析を用いた筋萎縮性側索硬化症感受性遺伝子の単離・同定
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19500314
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
飯田 有俊 The Institute of Physical and Chemical Research, 骨関節疾患研究チーム, 上級研究員 (10277585)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 感受性遺伝子 / 遺伝子多型 / ゲノム解析 / 患者-対照関連解析 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis;ALS)の発症機構を解明し、新たな治療法や治療薬の情報基盤を構築する。 平成20年においても、昨年度同様、大規模ゲノム関連解析(ゲノムスクリーニング)を重点的に行った。本年度は検体数を増やしてさらに詳細に解析した。ALS検体はバイオバンクジャパンに登録された約700例のDNA、コントロールDNAは日本人一般集団由来の約2,000例を用いて関連解析を行った。Single nucleotide polymorphism(SNP)マーカーには日本人標準多型データーベースに登録されているものを使用した。SNPのタイピングはマルチプレックスPCR-インベーダー法を用い、全ゲノムを段階的にスクリーニングした。第1次スクリーニングはALS92例とコントロール239例(1stセット)を用いて52,608SNPsを解析した。ここでP<0.01を示したSNPsについてALS約450例、コントロール965例(2ndセット)をタイピングした。更に段階的スクリーニングで用いなかった検体と対照を用いて関連解析を行った。結局、ゲノムスクリーニングで用いた検体とは重複しない、独立の検体を用いた二度の追試の結果、遺伝学的に有意な相関を示すSNPを同定した。その有意な相関を持つSNPは機能未知の遺伝子のイントロン12に存在していた。当該SNPを含む領域について連鎖不平衡マッピングを行い、候補遺伝子領域を約100kbに限局した。その領域には5つの遺伝子がマップされていた。次いで候補領域から未知のSNPを単離するために48サンプルを用いて、候補領域に含まれる5遺伝子座について再シークエンスを行い、詳細なSNP地図を構築した。本研究は、以上のようにSNPを用いた大規模ゲノム関連解析により、ALS感受性候補遺伝子領域を同定した本邦初の報告である。
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