2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト中脳黒質に存在するニューロメラニンの構造とその生成過程の解明
Project/Area Number |
19500332
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
若松 一雅 Fujita Health University, 衛生学部, 教授 (80131259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 祥輔 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 教授 (70121431)
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Keywords | ニューロメラニン / ユーメラニン / フェオメラニン / 黒質 / 青斑核 / パーキンソン病 / システムイニルドーパミン / システムイニルドーパ |
Research Abstract |
ニューロメラニン(NM)はヒトや動物中の中脳黒質(SN)および斑核(LC)のカテコールアミンニューロンに分布している。ヒト脳においては、NMはドーパミンニューロンを含むSN中およびネオエピネフリンニューロンを含むLCのみで単離されている。NMに似た構造、機能を持つ分子が非カテコールアミンニューロンやSN、LC以外の脳領域に存在するかどうかは知られていない。そこで、今回、運動皮質(CX)、小脳(CB)、被殻(PT)中に存在するメラニン様物質を単離し、その構造を推測した。リン酸緩衝液で洗浄後、タンパクを除くためにSDS、プロテアーゼ処理し、メタノール/ヘキサンで洗浄後、脂質を除去して褐色色素を単離した。これらの色素をアルカリ性過酸化水素酸化、およびヨウ化水素酸還元した。その結果、色素はユーメラニン、フェオメラニンの混合型メラニンであった。化学分解生成物の収率はSNに比べて低かったが、PT、CX、CBから得られた色素の化学分解物の比率、すなわちピロール-2,3,5-トリカルボン酸(PTCA)/ピロール-2,3-ジカルボン酸(PDCA)の比率および4-アミノ-3-ヒドロキシフェニルアラニン(4-AHP)/4-アミノ-3-ヒドロキシフェニルエチルアミン(4-AHPEA)の比率は、高い値を示した。このことは、これらの色素はドーパおよびシステイニルドーパ由来であることを示していた。また、チアゾール-2,4,5-トリカルボン酸(TTCA)、4-AHPEAまた4-AHPが高い収率であることは、CX、CB、PTの領域にシステイニルカテコール(システイニルドーパミンおよびシステイニルドーパ)が存在し、酸化されてNMを生成することを示唆している。システイニルカテコールは反応性の高いキノンとシステインとの反応により生成する。したがい、これらのNMの存在は、これらの領域のNM合成が細胞毒性のあるキノン体を除くためのニューロン保護の過程であり、結果、キノン体はシステイニルカテコールに変換され、最後にNMを生成するものと推測される。
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Research Products
(15 results)
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[Presentation] Excess tyrosine resucures the reduced activity of the proliferation and differentiation of cultured recessive yellow melanocytes of neonatal mouse epidermis2007
Author(s)
Hirobe, T., Abe, H., Wakamatsu, K., Ito, S., Kawa, Y
Organizer
14th Meeting of European Society for Pigment Cell Research
Place of Presentation
Bari, Italy
Year and Date
2007-10-14