2008 Fiscal Year Annual Research Report
クロイツフェルト・ヤコブ病関連分子14-3-3タンパク質群の3次元可視化構造解析
Project/Area Number |
19500339
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
諸根 信弘 National Center of Neurology and Psychiatry, 神経研究所微細構造研究部, 室長 (50399680)
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Keywords | 脳神経疾患 / 蛋白質 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jacob disease,CJD)の感染に関わる分子としては、プルシナー博士による「タンパク質仮説」(Prusiner et al.,1998)が有力視されているが、詳しい病態は解明されていない。本研究では、この病因タンパク質の高次構造の変換機序を理解するために、組織細胞内での構造変換の場や、ここで相互作用するタンパク質を明らかにすることを目的とした。私たちは、CJDの診断マーカーである「14-3-3ζタンパク質」に注目して、ヒト由来神経前駆細胞での局在や他の分子との複合体形成について、電子線構造解析の点から検討した。培養状態にある活きた細胞を液化ヘリウムで冷却した純銅に圧着することで急速凍結をおこない、細胞構造やタンパク質の局在を固定した。Lowicrylによる免疫超薄切片法や徳安法により、14-3-3ζタンパク質が、ミトコンドリアに濃縮していること、シャペロンタンパク質の局在と相関性があることが分かってきた。この14-3-3ζタンパク質複合体は、「脂質ラフトの細胞膜ドメイン」に特徴的な「膜中コレステロール濃度の低下」や「アクチンフィラメントの脱重合」により解離する傾向があることも分かってきた。以上のような細胞内での定量的構造解析により、CJDの病態の素過程の一端が解明された(投稿準備中)。
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