2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500345
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野口 潤 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (40421367)
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Keywords | 神経 / シナプス可塑性 / in vivo / 2光子励起 / ケイジド化合物 |
Research Abstract |
1.長期観察/刺激のための脳インタフェースデバイスの開発 東京大学工学部ー木研究室と共同で慢性的にマウス頭蓋骨表面に装着可能な直径2.7mmのデバイスの開発を行った。これを用いて2光子励起顕微鏡による観察を行いながら色素を投与することにより、低分子化合物の脳内における拡散係数を算出した。ケイジドグルタミン酸や各種阻害剤その他の化合物を脳内に投与する試験やこのデバイスにさらに透明電極を付属させて、脳波(Electrocorticogram)測定をも同時に可能にしたデバイスの開発を現在進行中である。 2.イメージングウィンドウ設置手術に伴う炎症の抑制法の開発 脳内に外部から溶液を浸透させるためには硬膜を除去する必要がある。しかし、硬膜を除去する時などには物理的刺激や感染による炎症(端的にはグリア細胞の活性化)の可能性が飛躍的に高くなる。そこで、硬膜除去前に抗生物質による洗浄を実施し、Sepharose-beadsに結合させたコラゲナーゼによって硬膜の張力を減少させ、硬膜を比較的低侵襲的に除去する技術開発を行った。その結果炎症は大幅に低減し、ミクログリア活性化が頭蓋骨除去しない場合と同程度となった。シナプスの生成消滅率はミクログリア活性化が起こった場合は頭蓋骨除去しない場合に比べ有意に高いことが知られていたが、今回開発した技術を用いることにより頭蓋骨を除去しない場合と同程度となった。この知見はbrain-machine interfaceの開発においても重要であると考えている。すなわち、インターフェースを機能的に長期間安定して生体に設置するためには、ミクログリア等による炎症のコントロールが必須であることが今回示唆された。
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Research Products
(3 results)