2007 Fiscal Year Annual Research Report
平滑筋フィラメントリモデリングによる力学応答変調を 「はかる」
Project/Area Number |
19500356
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 賢 Tokyo Medical University, 医学部, 講師 (60191798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 行知 文京学院大学, 保健医療学部, 教授 (50092135)
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Keywords | 平滑筋 / X線回折 / リモデリング / ミオシン / アクチン |
Research Abstract |
本年度の研究計画に基づき、以下の2項目の実験を実施した。 1) モデル実験系開発 モルモット盲腸紐の細胞膜を化学的に破壊したスキンド平滑標本を用いて、まずフィラメントリモデリングを可能にする実験系を開発した。太いフィラメントの解離を促す可能性がある様々なミオシンATPase阻害薬のうち平滑筋に対して強い作用持つブレビスタチンが、平滑筋スキンド標本の収縮を抑制する際に、太いフィラメント構造を長時問にわたって撹乱することを、筋収縮実験・光学顕微鏡および電子顕微鏡による形態観察から明らかにし、ブレビスタチン処理筋を実験モデルとすることに決定した。 2) X線回折実験条件の設定 平滑筋のX線回折像は非常に微弱であるため、筋フィラメント量の定量化には筋フィラメント由来反射が明瞭にあらわれる回折像を得る必要がある。そこで、そのための予備実験として、標本厚、標本伸展の程度・実験温度・ATP濃度・X線照射強度・X線照射時間・X線照射面積などを変え、もっともはっきりとしたコントラストが明瞭な筋フィラメント由来反射が観察される実験条件を決定した。具体的には、非常に高輝度の放射光施設であるSPring-8(兵庫県佐用町)の理化学研究所所有の生体試料専用ビームライン、BL-45XU小角散乱ステーションにて、モルモット盲腸紐スキンド標本のX回折実験を3回行った。更にブレビスタチン処理筋のX線回折を行い、リモデリングに伴うX線回折像変化を捉えることに成功した。
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