2009 Fiscal Year Annual Research Report
平滑筋フィラメントリモデリングによる力学応答変調を「はかる」
Project/Area Number |
19500356
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 賢 Tokyo Medical University, 医学部, 講師 (60191798)
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Keywords | 平滑筋 / 収縮タンパク質 / 筋フィラメント / X線回折 / 赤道反射 |
Research Abstract |
(財)高輝度光科学研究センター(SPring-8)および大学共同利用機関法人・高エネルギー加速器研究機構(KEK)の放射光実験施設において、本研究代表者(渡辺)及び連携研究者(石田行知 文京学院大学教授、木村雅子 東京慈恵会医科大学助教)が細胞膜を化学的に除去したスキンド平滑筋標本のX線回折実験を行い、標本の太いフィラメントと細いフィラメントのリモデリングの程度と力学応答を同時に「はかり」、両者の関係を定量的に評価した。本年度は特に、X線回折像における赤道反射に着目してその由来を検討した。従来、盲腸紐の幅広の赤道反射は、11-12nm周期の細いフィラメント格子様配列に由来するとされ、生筋活動時の反射強度増強が観察されてきたが、定量的な解析が行われていないからである。そこで今年度は、1)11-12nmにピークを持つ反射の他に筋フィラメント配列由来の赤道反射が存在するか確認すること、2)筋フィラメント配列由来の赤道反射強度の定量的な解析を行うこと、を目的として、イメージングプレートに記録した赤道反射パターン分析を解析ソフトウエアMATLABを用いて行った。 【結果と考察】全ての実験条件で、(a)11.4nmにピークを持つ既知の赤道反射以外に、(b)50-80nm,(c)20nm,(d)14nm,付近にピークを持つ赤道反射が同定された。そしてこれらのうち(b)以外の赤道反射の反射強度や位置は、収縮・弛緩などのスキンド筋標本の状態変化により変化した。 以上の結果は、4つの赤道反射のうち少なくとも3つの反射が筋収縮フィラメントの作る格子状配列に由来すること、又その強度・位置の変化はクロスブリッジ形成などの筋フィラメント動態を反映していることが示唆された。
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Research Products
(4 results)