2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋収縮における細胞内カルシウム濃度とトロポニン構造変化の同時測定
Project/Area Number |
19500358
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Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
Principal Investigator |
八木 直人 Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 利用研究促進部門, 副部門長 (80133940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 裕之 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門・バイオ実験チーム, 主幹研究員 (60176568)
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Keywords | 筋収縮 / カルシウムイオン / シンクロトロン放射光 / X線回折法 / 生物物理学 |
Research Abstract |
筋肉の収縮は,一般的に細胞内カルシウムイオン濃度によって制御されている。X線回折法は,生理的条件下の骨格筋に於いて収縮制御タンパク質トロポニンへのカルシウム結合を測定しうる唯一の方法である。当該年度においては,トロポニンへのカルシウム結合と,カルシウム結合によるトロポニン及び細いフィラメントの構造変化を詳細に解明する目的で,骨格筋を15-30ミリ秒の間隔で二回電気刺激し,その結果生じる収縮張力及びX線回折強度の変化を測定した。 実験は大型放射光施設SPring-8の高輝度ビームラインBL40XUにおいて行った。X線検出器にはX線イメージインテンシファイアと三板式高速CCDカメラを使用し,時間分解能1ミリ秒で測定を行った。試料には食用蛙縫工筋を使用し,トロポニン由来, C-protein由来,ミオシン由来の子午線反射の強度を同時に計測した。また,別個の実験で細いフィラメント由来の層線を計測すると共に,引き延ばした半腱様筋を用いても同様の測定を行った。試料は16度のリンゲル液中に浸し,0.5ミリ秒の電気パルスで刺激して収縮させた。単一パルスで収縮させた場合,15または30ミリ秒間隔の二つのパルスで収縮させた場合についてデータを収集した。 これらの測定の結果から,トロポニン由来の反射強度が予想どうりに細胞内カルシウム濃度変化と呼応して変化していることが明らかとなった。その変化はアクチン・ミオシンの反応による張力発生と比べて早く生じる。しかし,トロポニン分子の構造変化はカルシウム結合によるものだけではなく,ミオシンかアクチンと反応するとさらに大きな構造変化が生じる。その大きさは張力発生とは相関せず,細いフィラメント全体の協同的な構造変化の一部と考えられる。
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Research Products
(2 results)