2007 Fiscal Year Annual Research Report
SV40tsA58T抗原を発現する遺伝子導入マウスを利用した動物実験技術の開発
Project/Area Number |
19500359
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 進昭 The University of Tokyo, 医科学研究所, 教授 (10250341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市瀬 広武 東京大学, 医科学研究所, 助教 (10313090)
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Keywords | トランスジェニックマウス / 血管 / リンパ管 / 内皮細胞 / SV40 tsA58T抗原 |
Research Abstract |
SV40 tsA58T抗原をコンディショナルに発現する遺伝子導入マウス系統、T26(T26 Tg)は、Creリコンビナーゼによる遺伝子組換えによってtsA58T抗原の発現を誘導することができるマウスである。本研究課題では、このマウスに由来する、tsA58T抗原を発現する内皮細胞を用いて、胎生期の脈管形成、血管新生およびリンパ管新生をin vitroで再構築し、その分化制御機構を理解することを試みることを目的としている。 平成19年度では、T26 Tgと内皮細胞での組換えを誘導するCre Tgの交配によって得たT26/Tie2Cre Tgの胎仔を用いて、胎生期内皮細胞の培養方法の検討と、その内皮細胞としての特性の検討を行った。免疫組織化学的検討の結果、胎生期(E9.5およびE15.5)の内皮細胞はtsA58T抗原を発現しており、33℃での培養で選択的に増殖した。しかし、in vitroにおける細胞の性質を検討したところ、内皮マーカーを発現する細胞も含まれるものの、tsA58T抗原陽性だが内皮マーカー陰性の細胞も多く存在することが明らかになった。対照的に、成体から得たtsA58T抗原陽性血管・リンパ管内皮細胞は、内皮としての特性をよく保持していた。これらの結果から、tsA58T抗原陽性の内皮細胞はin vitroで培養可能であるものの、胎生期内皮の培養過程では、内皮・間充織転換による形質の変化、あるいは増殖が盛んなtsA58T抗原陽性の非内皮細胞の混入が起こりやすいことが示唆された。研究目的を達成するためには、tsA58T抗原陽性細胞の温度依存性増殖を利用した培養法に加え、内皮マーカー陽性細胞を早期に分離して培養する方法の確立が望まれた。
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Research Products
(2 results)