2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオリソース事業の展開に必須の、高圧法を用いた万能型受精卵凍結法の開発
Project/Area Number |
19500364
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
越本 知大 University of Miyazaki, フロンティア科学実験総合センター, 教授 (70295210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛西 孫三郎 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (60152617)
枝重 圭祐 高知大学, 教育研究部自然科学系, 准教授 (30175228)
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Keywords | 実験動物 / バイオリソース / 生殖細胞凍結保存 / 高圧凍結法 / 胚 / 精子 |
Research Abstract |
昨年度は凍結装置加圧部の故障が続き、高圧凍結試験が十分に実施できなかったが、胚凍結に関して常法でガラス化したマウス胚の液体窒素温度下での電顕観察のための試料作成条件の決定と、魚類受精卵の高圧凍結法の応用を目指し、メダカ卵の水透過性に関する基礎特性の測定を行った(学会発表2)。これと並行し、バイオリソース維持技術か一発に関連して、齧歯類精子の凍結法に関する基礎データ収集を行った。まず本学で維持する野生バイオリソースであるアレチネズミ亜科の精子凍結保存法の検索を行った。その結果、Tatera indica種では浸透圧を450mOsmに調整したラフィノース濃度14-18%を含む希釈単純PBS液を用いて良好生存率の凍結精子が得られ、ハムスターテストによってその受精能力を始めて実証した(論文1)。さらにGerbillus perpallidus種の凍結精子でも、450mOsmに調整したラフィノース濃度14-18%を含む希釈単純PBS液を用いて良好な生存率が得られる事が判明し、これら動物種のコロニーのバックアップに凍結精子が利用できる可能性が高まった。また、マウス精子凍結技術の改善のために凍結精子に見られる精子凝集塊に着目し、凝集のメカニズムと融解後生存率に及ぼす影響の検討を開始した。精子凝集の主因を細胞膜表面の糖鎖にあると仮説をたて、32種類のレクチン染色を試みたが、原因の同定には至らなかった(学会発表2,6)。さらに精子前培地中のコレステロールレセプターとしてBSEに代えてMethyl-β-cyclodextrin添加の効果(学会発表1)と、その系統間差(学会発表4,5)について検討した。その結果、Methyl-ss-cyclo dextrin至適濃度(lmM)と前培養時問(30-60分)に系統間差は見られないが、受精率の改善効果には系統間差があり、B6系統で特に良好に機能することを見出した。
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