2007 Fiscal Year Annual Research Report
時期特異的PACAP受容体トランスジェニックマウスにおける脳機能解析
Project/Area Number |
19500368
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
荒田 悟 Showa University, 遺伝子組換え実験室, 准教授 (20159502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼丸 洋 昭和大学, 医学部, 准教授 (30177258)
武富 芳隆 昭和大学, 遺伝子組換え実験室, 助教 (40365804)
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Keywords | 発生工学 / 高次神経機能 / 行動生理 / PACAP / PAC1 / 学習・記憶 / サーカディアン |
Research Abstract |
本研究は、Pituitary Adenylate Cyclase Activating Polypeptide(PACAP)シグナルの「発生・発達過程における役割」および「高次脳機能における役割」を明らかにする目的で、PACAP特異的受容体であるPAC1を時間空間特異的に発現させるトランスジェニック(Tg)マウスモデルを作製して解析を行う。本年度は、CAGプロモター下流にloxP-neor-loxP(LNL)配列を挟んでPAClcDNAをつないだ発現系を構築し、LNL-PAC1 Tgマウスを作成した。また、組織特異的Cre酵素発現を目的としてPgk2-Cre(精巣特異的Cre発現)、CaMKII-Cre(海馬神経特異的Cre発現)、CaMKII-CreER(タモキシフェン誘導型海馬神経特異的Cre発現)の各Tgマウスを作成した。上記のLNL-PAC1 Tgマウスと各種Cre発現Tgマウスを交配させて時間空間特異的にPAC1を発現させる各種PACl Tgマウスを作成して解析に用いた。その結果、全てのPACl Tgマウスにおいて自発行動活性の充進が認められ、特に海馬領域の神経細胞へのPAC1発現では、自発行動の概目リズムを変化させることなく、暗期の行動活性のみを充進させた。この自発行動活性の充進は、加齢マウスや成体後のPAC1発現誘導でも認められた。また、受動回避反応を検討した結果、PAC1 Tgマウスにおいて学習・記憶形成への影響は認めることは出来なかったが、不安や恐怖に対する抵抗性が認められた。現在、水迷路を用いた学習・記憶形成の解析を検討している。 これまでの結果は、PACAPシグナルが、概日リズムや恐怖・不安など高次脳機能に直接的に影響を及ぼすことを示唆したものであり、今後さらに解析を進める。
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Research Products
(4 results)