2009 Fiscal Year Annual Research Report
時期特異的PACAP受容体トランスジェニックマウスにおける脳機能解析
Project/Area Number |
19500368
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
荒田 悟 Showa University, 遺伝子組換え実験室, 准教授 (20159502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼丸 洋 昭和大学, 医学部, 准教授 (30177258)
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Keywords | PACAP / トランスジェニックマウス / 行動解析 |
Research Abstract |
PACAP (Pituitary adenylate cyclase activating peptide)特異的受容体のPAClを時間空間特異的に発現させるモデルマウスを用いたこれまでの解析から、PACAPは学習・記憶及び概日リズムの形成に関与すること、また出生後の呼吸馴化に関与することが示唆された。 本年度は、呼吸馴化への役割をさらに明らかにする目的で、全身性プレチスモグラフィー及び摘出脳幹脊髄標本を用いて解析を行った。呼吸馴化をC57BL/6、Balb/c、ICRマウスについて検討した結果、Balb/c、ICRは生後2日(P2)までに1回換気量も増加し規則正しい呼吸となるのに対して、C57BL/6は4日(P4)程度要することが分かった。高二酸化炭素濃度、および低酸素濃度に対する反応は、Balb/c、ICRともにPOで既に応答があるのに対して、C57BL/6は二酸化炭素への応答はPOで認められたが低酸素に対する応答はP2以降であることが分かった。また、同様の応答は摘出脳幹脊髄標本でも認められたことから、中枢性の化学受容器との関連が示唆された。 一方、中枢性呼吸障害を示すDSCAM KOマウスはC57BL/6背景では24時間以内に死亡するが、Balb/c背景では離乳後も生きることを報告した。また、PACAPKOマウスもC57BL/6背景では離乳前に高い死亡率を示すが、ICR背景ではほとんど死亡しない。この原因は不明であったが、今回の研究からC57BL/6の呼吸馴化が遅いことが関与する、すなわち、呼吸の不規則な状態が長く続くC57BL/6では呼吸中枢に関与する遺伝子の欠損に対してより強い表現型を示すことが示唆された。今後、PACAPの呼吸中枢における役割を明らかにして行きたい。
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Research Products
(7 results)