2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症および不妊症モデルとしてのTZF遺伝子欠損マウスの確立
Project/Area Number |
19500371
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
萩原 啓実 Toin University of Yokohama, 医用工学部, 教授 (90189465)
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Keywords | 遺伝子 / 応用動物 / 骨粗鬆症 / 不妊 / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
私たちは骨芽細胞株MC3T3-E1細胞より新規Zinc Fingerタンパク質TZF(Testicular Zinc Finger Protein)とそのファミリー(TZF-L)を発見し、その機能解析を行なっている。in vitro実験から、TZF及びTZF-Lは、新規のアンドロゲン受容体の転写活性の調節因子であることが明らかになっている。さらに、生体内でのTZFの機能を明らかにするためにTZF遺伝子を欠損させたマウスを作製したところ遺伝子欠損マウス作製に使用した2種類のマウス系統129SVJとC57BL/6のキメラTZF遺伝子欠損マウスにおいて予備的な表現型として大腿骨骨密度の減少と雄性不妊の傾向が確認された。そこで、本研究では、TZF遺伝子を欠損した純系マウスを作製することにより骨密度減少と雄性不妊を確定し、そのメカニズムを明らかにすることにより、これからの医療に有用な骨粗鬆症モデルマウスあるいは不妊モデルマウスを確立することを目的とする。本年度の成果として遺伝的背景が統一されたTZF遺伝子欠損マウスでは、キメラマウスで現れていた大腿骨骨密度の減少傾向が消失した。一方、129Svjマウスの雄で完全な不妊が確認された。さらに詳しく調べたところ精子形成に異常が観察されたので、精子形成に関わる遺伝子、タンパク質の発現調節を調べている。以上の結果より、TZF遺伝子欠損マウスはそのメカニズムが明らかになれば不妊モデルマウスとして確立することが期待できる。
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