2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症および不妊症モデルとしてのTZF遺伝子欠損マウスの確立
Project/Area Number |
19500371
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
萩原 啓実 Toin University of Yokohama, 医用工学部, 教授 (90189465)
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Keywords | TZF / 遺伝子欠損マウス / 精子形成 / 不妊 |
Research Abstract |
TZFは942アミノ酸残基、アイソフォームであるTZF-Lは2,025アミノ酸残基からなるCys2-His2型のzinc Finger motif(核酸との結合モチーフ)を持つタンパク質である。TZFは骨芽細胞から発見されたが,実は精巣でmRNAが高発現しており,副腎や子宮でも発現が観察される。最近では, TZFはホモ2量体でアンドロゲン受容体の転写を抑制し, TZF-Lのホモ2量体及びヘテロ2量体で促進することを報告している。遺伝子欠損マウスを作製して表現系を検討した結果,骨代謝での顕著な影響は観察されず,精巣における精子形成に関わっていることが明らかになった。本研究では,1. TZFは,精子形成のどの段階で働いているのかを調べた。その結果, TZFは精子形成に関わるだけでなく精巣上体での精子の成熟にも関与することが病理切片の観察から明らかになった。2.テストステロン及びFSHがTZF及びTZF-Lの発現に影響しているか。さらにTZFが血中テストステロン量の制御に関わるかを調べた。[方法]6週齢雄ddYマウスにテストステロンは3日おきに4回(5mg/kg), FSHは7日間毎日(0.76unit/匹)皮下投与した。精巣を摘出しTZF及びTZF-L mRNAの発現量をPCRにより確認した。TZF遺伝子欠損マウスと野生型の血液中のテストステロン量をEIAキットを用いて定量した。[結果]PCRの結果,テストステロンとFSHは精巣でのTZFとTZF-LのmRNA発現に影響しないことが示唆された。また,生後70日と140日の雄マウスの血液中のテストステロン量は,野生型とTZF遺伝子欠損型で有意差は確認できなかった。これらの結果から, TZFはアンドロゲン受容体の転写調節に関わるがアンドロゲンからの影響とアンドロゲン産生への作用がないことが明らかになった。
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