2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500373
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
須藤 淳一 National Institute of Agrobiological Sciences, 動物科学研究領域・生殖機構研究ユニット, 主任研究員 (60355740)
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Keywords | 肛門直腸奇形症 / 多因子性疾患 / 遺伝解析 / Dh(dominant hemimelia) / 性染色体 / Y染色体コンソミックマウス |
Research Abstract |
1.DH-Dh/DhにおけるGli2塩基配列決定の結果、C57BL/6J系統との間に塩基配列の差は認めたものの、Gli2遺伝子がDhの原因遺伝子として妥当である可能性を示す結果は得られなかった。しかしながら、Gli2遺伝子塩基配列決定の結果、Dh遺伝子型の判定のために、Dhと+alleleの間でPCR-RFLPが取れることがわかったため、これによりさらに精度の高いDh遺伝子型判別が可能となった。今後は、Dh critical regionに存在する他の遺伝子、Ptpn4、Epb41l5、Ralb、Inhbb、Tfcp211、Clasplの6遺伝子ついて、Dh原因遺伝子としての妥当性を解析する。 2.X染色体座Grdhq1について、候補遺伝子のうちMidlは排除された。 3.DH系統の遺伝背景下にA/J、AKR/J、BALB/cA、C3H/HeJ、C57BL/6J、CAST/EiJ、CBA/N、CF、/Sgn、DBA/2J、DDD、KK/Ta、RF/J、RR/Sgn、SJL/J、SS/Sgn、SWR/Jの各系統に由来するY染色体を導入したY染色体コンソミック系統を確立した。これらのほとんどについて、ARM発症の有無とY染色体の相関を明らかにした。すなわち、A/J、AKR/J、BALB/cA,、C57BL/6J、CBA/N、CF1/Sgn、DBA/2J、DDD、SJL/J、SS/Sgn、SWR/J由来のY染色体はARMを発症し、C3H/HeJ、CAST/EiJ、KK/Ta、RF/J、RR/Sgn由来のY染色体は非発症型であることが明らかとなった。ARM発症の有無と相関するY染色体遺伝子は未だに不明であり、検索を継続する。 4.これらYコンソミック系統間には体重・精巣重量の差が確かに存在した。しかしながら、本研究結果から、これまで多くの文献で示唆されてきたように、精巣重量に及ぼすY染色体遺伝子の効果については過大に評価される傾向があり、実際には精巣重量決定の主要因子は常染色体にあることが強く示唆された。
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