2008 Fiscal Year Annual Research Report
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19500383
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
吉田 勝一 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (50304390)
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Keywords | medical imaging / X-ray imaging / X線発生装置 / 単色X線 / 被ばく軽減 / X線撮像装置 / 準単色X線 / 単色X線発生装置 |
Research Abstract |
日本では、毎年30万人以上ががんで死亡しているが、その約3%は医療診断における被ばくが原因であるという報告がある。単純に計算すると、日本だけで毎年1万人が医療ひばくが原因の発がんで死亡している計算となる。本研究の目的は被ばくを大幅に軽減できる医療診断機器を開発することである。 低被ばくのX線撮像装置の開発には、検出器部分の開発と、X線発生装置部分の開発がある。当初の予定では、検出器部分の開発を主に行う予定であったが、今年度は、主に被ばくを軽減できる単色・準単色X線発生装置の開発を行った。 X線撮像の原理は、基本的には影絵と同じで各組織によるX線の吸収・散乱の違いを画像化する。X線を吸収・散乱する確率は、X線光子のエネルギーによっても異なり、最適のエネルギーが存在する。特にヨウ素を用いた造影検査では、ヨウ素のK吸収端より少し大きなエネルギーのX線が効率良く影を作るので、同じコントラストを得るための被ばく量を軽減できる。単色のX線を生成するには、従来と同じようなしくみで発生させた連続X線を第二ターゲットに照射し、第二ターゲットで発生する特性X線を利用する。特性X線のエネルギーは第二ターゲットの原子番号に依存し、最適のエネルギーの特性X線を発生するのは原子番号58番のセリウムである。シミュレーションの結果によると、今回ターゲットの形状を工夫した装置は従来装置に比べ一桁ちかく効率よく単色X線を発生することができ、単色X線以外の連続X線はほとんど遮蔽材によって取り除くことができる。
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