2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミリサイズ頭部ボクセルモデルの高速電磁界解析に基づく脳磁界計測法
Project/Area Number |
19500386
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
濱田 昌司 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (20246656)
|
Keywords | 電磁界解析 / ボクセルモデル / 頭部モデル / 脳磁界計測 / 高速多重極法 / リードフィールド |
Research Abstract |
ボクセルサイズ1mmの成人男性頭部ボクセルモデルに対し、204チャンネルのグラディオメータ出力のリードフィールド計算を実施した。頭部モデルはMR画像をもとに作成し、ボクセル数は空気領域を除外して約460万個、灰白質ボクセル数は約90万個、リードフィールドのエントリーは約5億4千万個である。Core2QuadのPCを2機使用して計算時間は約13時間となった。頭部モデル内部に等価電流ダイポールが存在すると仮定した場合のグラディオメータ出力を、グラディオメータ位置のベクトルとして表示し、標準的な診断用グラフィック表示を可能とした。組織導電率には等方性を仮定しており、また計算時間についてもなお改良の余地はあるが、当初目標を達成することができた。この後、脳磁図用に加えて脳電図用のリードフィールド計算も可能にした。一方、計算精度検証用の単純幾何形状頭部モデルの解析的電磁界計算手法についても継続して検討を行い、Gumerovの2スカラポテンシャル法を用いた時間調和厳密数値解析手法を用いることで、波源の状態を指定できるという仮定の下で、任意周波数での厳密電磁界解析が可能であることを示した。また高速多重極法とは異なり、FFTを用いたボクセルモデル用電磁界計算法も新たに開発し、複数個のGPGPUを用いて計算速度を向上させることにも成功した。並列計算手法については、プロセス並列化、OpenMPによる並列化、数値計算ライブラリの並列機能を用いた並列化、OpenMPとGPGPUを組み合わせた並列化などを実装し、最近の並列化技術を取り入れることで計算速度の向上を実現した。数値電磁界計算技術の側面から、高速・高精度・高信頼度のMEG計測システムの確立に寄与できたものと考える。
|
Research Products
(11 results)