2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500397
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
峰島 三千男 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (50166097)
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Keywords | 生物・生体工学 / 医療・福祉 / 化学工学 / 臨床工学 / 在宅透析 / 内部濾過 / モニタリング / 透析装置 |
Research Abstract |
本研究では、種々のモニタリング技術(ダイアライザ前後の血液/透析液圧と内部濾過流量の連続測定)の開発と理論モデルにもとづく自動制御機構を透析装置に組み入れることにより、個々の患者に対する至適透析を在宅で施行可能とする、在宅ナビゲーション透析システムの開発をめざしている。 最終年度である本年度は主として以下の項目について検討した。 血液透析器性能の経時変化を説明する理論モデルの確立:血液透析器性能の経時変化については、昨年度に引き続き牛血系透析実験を通じ十分な実験データが蓄積され、ファウリングに伴う血液透析器性能の経時減少を予測できる膜透過モデルを理論的に構築し、その妥当性を検証することができた。具体的には、実験データに対しシミュレーション解析(数値計算)を行うことにより膜濾過係数などのパラメータを求め、そのパラメータ値が経時的に、しかも二相性をもって減少することが明らかとなった。また、超音波ドプラー法から実測した内部濾過流量の経時変化データに対し、理論モデル計算の結果と照合し、本モデルの妥当性が最終的に確認された。 この結果を踏まえ、個々の患者の状態(体内分布スペースあたりの溶質産生速度G/V)に合わせ、治療目標とする週間平均濃度TACに対する至適透析量(Kt/V)を定め、それを満足するダイアライザを選択する手法を確立することできた。 今後、ナビゲーション透析を可能とする在宅透析装置の開発を目指す上で、本理論モデルに基づくアルゴリズム構築に、本研究課題で確立された手法がおおいに貢献できるものと自負している。
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