2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500399
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
板東 潔 Kansai University, システム理工学部, 教授 (70156545)
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Keywords | 呼吸器 / 連成解析 / 赤血球 / 毛細血管 / シミュレーション / 肺気道 / 鼻腔 / immersed bounadry法 |
Research Abstract |
ヒト鼻腔のCTスキャンの画像データを用いて構築した鼻腔の実形状計算モデルに対し,呼吸を模擬した気流の数値シミュレーションを行った。その際,モデル構築の高速化・高精度化を行なうために,CTの2Dデータから直接3Dモデルを構築した。同時に,鼻腔の実形状モデルおよび水力平均直径モデルを製作して呼吸の模擬実験を行った。これらの結果より,鼻閉感治療において最適切除部位を決定し仮想手術シミュレーションを行うための基礎技術が確立された。 細気管支における基底膜を薄肉粘弾性円筒とモデル化して,喘息発症時における細気管支の狭窄現象を動的座屈として理論モデルを構築した。同時に,生体外気道モデルに対する狭窄の模擬実験を実施した。そして座屈波数(周方向のひだの数)について実験と解析結果とを比較することにより理論の妥当性を示した。さらに,基底膜の外側に存在する粘膜下層など周囲組織の付加質量としての影響が座屈波数に及ぼす影響を明らかにした。また,基底膜と粘膜下層の両方をモデル化した気道の生体外二層モデルを作製して狭窄の模擬実験を行い,発生するひだの数に及ぼす外層の影響を実験的に明らかにした。以上の結果より喘息発症時の気道狭窄の力学的モデルを構築することができた。 毛細血管における赤血球の変形に関する数値シミュレーションを行った。同時に,毛細血管を模擬したマイクロチャンネルを通過する赤血球の実験を行った。そして数値シミュレーションにより,赤血球がマイクロチャンネルを通過した後の形状回復の時定数を予測することが可能であることを示した。この時定数は赤血球の変形能と関連するため,この結果より赤血球の変形能を計算により求めることが可能であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)