2007 Fiscal Year Annual Research Report
主要抗原領域欠失型HB s Ag蛋白質で形成される中空ナノ粒子の表面構造解析
Project/Area Number |
19500405
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
多田 宏子 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (60271061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 昌治 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90243493)
山田 秀徳 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80037613)
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Keywords | ナノ・バイオ / ドラッグデリバリーシステム / ウィルスエンベロープ / バイオナノ粒子 / 膜蛋白質 / 蛋白質構造 |
Research Abstract |
ヒトB型肝炎ウィルス(HBV)のエンベロープ蛋白質(HBsAg)により形成される中空ナノ粒子は、ヒト肝細胞特異的薬物送達キャリヤとして開発が進められている。申請者らはこれまで、HBsAg蛋白質により中空ナノ粒子構造が形成される分子メカニズムを解明する為に配列欠失実験を行ってきた。HBsAg蛋白質は3カ所の疎水性領域[膜貫通領域(TM1、TM2)とC末端疎水性領域]および2ケ所の親水性領域(粒子外部と粒子内部)から構成されるが、そのうちのC末端領域、粒子外部領域、および粒子内部領域の各領域について粒子形成に必要な配列/不必要な配列を明らかにしてきた。 本研究はこの不必要配列を欠失したHBsAg粒子の表面構造解析を通じて、粒子構造形成の分子メカニズム解明にアプローチすると同時に、欠失体粒子の有用性を示す事を目的とする。そのために本年度は不必要配列を欠失したHBsAg粒子の調製法を検討した。すなわち、 1)粒子外部不必要領域を欠失させた変異体については、酵母発現系により安定発現株を作製した。その発現量は数mg/mlであった。発現酵母菌体内より変異体粒子を精製したところ、純度50%程度の精製品が1L培養あたり0.1mg取得された。発現培養条件および精製条件を精査することにより、純度および収量を向上する必要がある。 2)上記3領域の不必要配列を全て欠失させたHBsAg変異体をCos7細胞で一過的発現させ、変異体粒子の分泌を確認した。さらに、TM1領域をも欠失させた「最小構造」変異体を作成して同様に発現させたところ、完全長の野生型変異体よりもむしろ良い分泌効率を示す事が示唆された。早急にこの「最小構造」変異体の大量調製系を検討し、粒子表面解析の材料としたい。 3)粒子表面に位置すると推定されるC末端疎水領域の必要配列をコードするペプチドを合成した。リン脂質二重膜上での構造形成に用いる予定。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] 粒子形成に必要なヒトB型肝炎ウィルスエンベロープ蛋白質配列の特定2007
Author(s)
多田宏子, 宮崎望美, 下光翔子, 山田一朗, 栗木政徳, 二反田有沙, 近藤昭彦, 谷澤克行, 黒田俊一, 上田政和, 小坂恵, 二見淳一郎, 山田秀徳, 妹尾昌治
Organizer
第7回日本蛋白質科学会年会
Place of Presentation
仙台
Year and Date
2007-05-26