2007 Fiscal Year Annual Research Report
Fmoc-NTA-COOH試薬を用いた混合活性化型蛋白質導入法の開発
Project/Area Number |
19500408
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
秋山 暢丈 Jikei University School of Medicine, 医学部, 助教 (00338865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 三郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (10186934)
馬目 佳信 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30219539)
渡辺 美智子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10158660)
大野 裕治 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60142478)
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Keywords | 薬物伝達システム / 機能性素材 / 蛋白質導入 |
Research Abstract |
ニッケル、コバルトイオン等を配位させるペプチドを合成する試薬の医学への応用へ向けて、2つの方向からアプローチを試みた。 第一のアプローチはヒスチジンタグを結合したモデル蛋白質の細胞への導入方法の検討から行なった。C末端にNTA基を側鎖に導入した15アミノ酸からなる細胞膜透過活性を持つペプチドの合成を課題のペプチド合成試薬を用いて作成した。そして、導入を目的とするモデル蛋白質として、蛍光を発するFITC基とヒスチジンタグを持つペプチドを作成し、レポーターの細胞への導入効率を検討した。予想された様に、レポーターと導入試薬を混合しただけでは、細胞内へのレポーターの導入は観察されなかったが,ニッケル若しくはコバルト塩を添加する事により、高効率でHela細胞に導入される事が確認できた。ペプチド合成によりレポーターと膜透過ペプチドを含むペプチドを合成し,比較をした所,本課題における混合活性化法と導入効率は変わりなく、本課題の方法の有用性が示された。 第二のアプローチとして、実際に導入する蛋白質の作成法の開発を行なった。細胞外への放出効率に優れた蛋白質をベースに、細胞外への放出効率を元に細胞外蛋白質放出への領域を決定し,その構造を含む蛋白質発現ベクターを作成した。そのベクターを用いて、ヒト細胞へ蛍光蛋白質EGFP,核蛋白質であるMyc,p53蛋白質を発現させた所、高効率で合成蛋白質が細胞外へ放出され、非変性条件下で、界面活性剤を用いずにワンステップでこれらの蛋白質を高度に(純度90%以上)且つ大量に(mgオーダー)得られる事を証明した。特にp53蛋白質は選択的DNA結合活性を保持している事が認められ,このベクターの有用性を証明するものと思われる。これらの知見および作成されたモデル蛋白質を用いて、現在導入法の改良を行なっている所である。
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