2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ペプチドを用いた再生医工学用ハイブリッド材料の創成
Project/Area Number |
19500410
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
平野 義明 Osaka Institute of Technology, 工学部, 准教授 (80247874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 秀司 大阪工業大学, 工学部, 講師 (70434785)
岡 勝仁 大阪府立大学, 総合教育研究機構, 教授 (70203966)
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Keywords | 再生医工学 / 足場 / ペプチド / 細胞接着 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞とペプチド-刺激応答性高分子ハイブリッド材料との相互作用を明らかにし、細胞の機能をコントロールできるペプチドハイブリッド足場材料(人工細胞外マトリックス)の設計・合成(マトリックス工学)を行い、組織工学や再生医工学への応用を目指すことにある。次の項目について研究を遂行した。 1.生理活性ペプチド配列の分子設計:血管内皮細胞増殖に関するペプチドを合成しその機能を評価した。その結果、顕著な増殖活性が確認できた。現在は、ペプチドの作用機構解明のため分子生物学的手法によりシグナル伝達の解析を行っている。 2.ペプチド-無機材料ハイブリッド足場の創成:バイオミネラリゼーション機能を有するプチドの設計と合成を完了し、現在ペプチド-無機複合材料の構築を目指している。無機イオン存在下では、合成したペプチドがイオン濃度に依存して構造変化を起こしていることを明らかにした。 3.ペプチド-高分子(有機)材料ハイブリッド足場の創成:細胞接着性オリゴペプチドを用いた高機能足場の構築に関しては、ペプチドのみでファイバー状の足場を作製した。その3次元足場内で細胞培養を行ったところ、ペプチド由来の市販のハイドロゲルタイプの足場材料に比べて顕著な細胞の接着・伸展・増殖が確認された。また、オリゴペプチド固定化材料(高機能性足場)の創成においては、酸性多糖であるアルギン酸に、β-シート構造を形成するペプチドを導入し、分子間の相互作用を利用することで非共有結合型架橋剤の設計を試みた。その結果、アルギン酸カルシウムハイドロゲルと同様のアルギン酸ゲルの作製に成功した。このハイドロゲルは、硬組織のみだけではなく、軟組織用足場材料としての利用の可能性を有していることが明らかとなった。
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