2008 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ペプチドを用いた再生医工学用ハイブリッド材料の創成
Project/Area Number |
19500410
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
平野 義明 Kansai University, 化学生命工学部, 教授 (80247874)
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Keywords | 再生医工学 / 足場 / ペプチド / 細胞接着 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞とペプチド-刺激応答性高分子ハイブリッド材料との相互作用を明らかにし、細胞の機能をコントロールできるペプチドハイブリッド足場材料の設計・合成を行い、組織工学や再生医工学への応用である。今年度は以下の項目について重点的に研究を遂行した。 1. 機能性ペプチドとHoming Peptideを組み合わせたダブルリガンドタイプのペプチド分子を設計し、その構造活性相関を検討した。特に、血管内皮細胞増殖に関するペプチドを合成しその機能を評価した。その結果、顕著なHUVECの増殖活性が確認できた。ペプチドの作用機構解明のためレセプターのリン酸化追跡することによりシグナル伝達の解析を行った。 2. ペプチドー高分子ハイブリッド足場の創成:細胞接着性オリゴペプチドを用いた高機能足場の構築に関しては、ペプチドのみでファイバー状の足場を作製した。安定して材料を多量に得るため、ペプチドの液相合成法の手法を確立した。その3次元足場内でES細胞を始めとし種々の細胞培養を行ったところ、ペプチド由来の市販のハイドロゲルタイプの足場材料に比べて顕著な細胞の接着・伸展・増殖が確認された。 3. ペプチド-無機材料ハイブリッド足場の創成:バイオミネラリゼーション機能を有するプチドの設計を行し、カルシウムイオンとの相互作用をCDスペクトルを用いて確認したところ、合成したペプチドがイオン濃度に依存して構造変化を起こしていることを明らかにした。また、固体状の結晶が析出することが明らかとなった。これらは、今後X線構造解析などにより構造確認を予定している。 4. ペプチドを導入した開始剤を合成し、高分子鎖の末端にペプチドが導入された高分子化合物の合成に成功した。pHおよび温度により状態変化を起こすペプチドー高分子ハイブリッドハイドロゲルが作成出来た。また、細胞との相互作用を評価したところ良好な細胞接着が認められた。
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Research Products
(29 results)