2008 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍の非侵襲的温熱療法のための深部温度計測法の研究
Project/Area Number |
19500414
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
水戸部 一孝 Akita University, 工学資源学部, 准教授 (60282159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 元 秋田大学, 医学部, 講師 (20323149)
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Keywords | 温熱療法 / 感温磁性体 / 癌 / 可視化 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
研究計画当初は「非侵襲深部温度計測システム」と「3次元位置姿勢デジタイザ」を組み合わせた検査装置を想定していたが, 深部温度を検知するピックアップコイルのズレが極めて大きな計測誤差の原因となること, また, 当初想定していた駆動コイルおよびピックアップコイルを動かしてスキャンする計測手法は手間と時間がかかり, 臨床上適用しがたいことがわかった. そこで, 188kHzの誘導加熱用高周波磁場の磁束ベクトルの垂直成分を同期検波できる高周波用ロックインアンプを導入し, 生体内深部を誘導加熱しながら到達温度を検知できる検査システムを構築し, ファントムを用いたin vitro実験により本手法の妥当性を検討した. その結果, ピックアップコイルに接続したロックインアンプで誘導加熱用コイルが発生する磁束の水平・垂直の両成分を同期検波モニタリングすることで, ワイヤレスに加熱対象が目標温度に到達したか否かを検知できることを明らかにした. また, 生体に無害で誘導磁場による発熱効率の高い発熱体として金を選定し, 感温磁性体に発熱体を混合することで誘導加熱の発熱効率を向上しながら到達温度をワイヤレスに検知できることを実証した. 本研究成果は国際学会の場で発表され, また, 学術論文として公表されている. 次年度以降は, 動物実験および臨床の場で本治療装置の妥当性を評価していく予定である.
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