2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500420
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂田 泰史 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (00397671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 一博 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任教授(常勤) (90303966)
真野 敏昭 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (90379165)
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Keywords | 超音波 / 心不全 / 拡張機能 |
Research Abstract |
我々は、収縮機能評価における左室駆出率のように、単独で用いられ、感覚的に理解しやすい左室拡振機能評価法確立の必要性を踏まえて、diastolic color kinesis index(CK-DI:拡張早期30%時間以内に拡張した面積を全拡張期時間で変化した面積で除した値)を用いた、拡張機能評価の確立を試みた。Diastolic Color Kinesis(CK)法はAcoustic Quantification(AQ)法の原理を応用し収縮末期から拡張末期に至る心内膜の移動距離を心電図同期によりカラー表示するものである。よって、心臓全体のみならず、局所的な拡張機能障害を視覚的に捉えることが可能である。高血圧性心不全動物モデル(6週齢より8%食塩を与えたダール食塩感受性ラット、n=30)を用いて検討すると、左室全体のCK-DI平均は偽正常化を示さなかった(正常コントロール54±9%,代償性肥大期29±7%,心不全期32±6%)ため、時定数Tauと有意な相関(R=0.44,p<0.05)を認めた。一方E/Aは心不全期では偽正常化を認め、Tauとは相関しなかった。臨床症例では、左室全体のCK-DI平均は正常者(60±13%,n=10)に比し、拡張不全症例(38±3%,n=8)のみならず糖尿病症例(46±16%,n=26)も低値を示し、糖尿病患者での早期拡張機能障害をも検出するものと考えられた。また、局所の拡張機能評価法としての有用性を検討するために、当院で行われた、拡張型心筋症に対する細胞移植心において移植された部位のCK-DIを移植前後で比較すると、著明な改善が検出され、補助心臓離脱のひとつの根拠となりえた。よって、CK-DIは全体、または局所左室拡張機能評価法、主に弛緩能の指標として有用であると考えられた。
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Research Products
(5 results)