2008 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪性肝炎における非侵襲的、定量的機能診断法の確立
Project/Area Number |
19500428
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
飯島 尋子 Hyogo College of Medicine, 医学部, 教授 (80289066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 修平 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10192246)
西上 隆之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70131589)
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Keywords | 超音波医学 / 検査診断システム / 肝臓病学 / 画像診断学 |
Research Abstract |
[目的]非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は肝生検が唯一の診断方法である。しかしNAFLDのうちどのような症例に肝生検を施行すべきか明確な基準はない。NASH診断における造影超音波検査の有用性を平成19年度に検討しLevovist造影による診断法を確立した。Kupffer細胞の貪食能の低下を示唆する結果をえ、ラットモデルにて組織学的および生体顕微鏡にて検討した。 [方法]NASHモデルラット、脂肪肝ラットを用い、組織学的変化(線維化、脂肪化、炎症の程度)と、微小気泡造影剤を用いた超音波の造影性を対比検討および生体顕微鏡にて検討した。 [結果]Levovistは、肝臓のマクロファージに貪食され投与し5分以降特に20分以降で肝実質相を撮像することでクッパー機能が評価できる。NASHでは脂肪肝や健常人と比較して明らかに肝実質相の染影が低下していた。以上の結果からNASHの一因として肝臓のクッパー細胞の機能低下が考えられる。NASHモデルラットの生体顕微鏡による観察ではNormalラットと比較してKupffer細胞に貪食されている造影剤の数は投与早期から明らかに低下し、投与後30分以上経過してもその貧食能は回復しなかった。また、ラテックスビーズを用いた検討においてもNASHモデルでは、貪食されるビーズの数は少なく、以上の結果よりNASHでは何らかの原因によりKupffer細胞の機能低下が起こっていることが証明された。 [結論]Levovist造影超音波検査は単純性脂肪肝とNASHの鑑別に有用である。ラットによる生体顕微鏡および蛍光ビーズによる基礎的検討では、NASHの原因としKupffer細胞貪食機能低下が一因であると考えられた。
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Research Products
(12 results)