2007 Fiscal Year Annual Research Report
音響化学療法と抗体療法を組み合わせた新しい癌治療法の研究
Project/Area Number |
19500430
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
黒木 求 Fukuoka University, 医学部, 教授 (10131822)
|
Keywords | ヒト抗体 / CEA / 好中球 / IgA / FcRI / ADCC |
Research Abstract |
1.抗CEA組換えヒトIgA抗体(rIgA)の作製 ヒト抗CEA MAbを産生する細胞C2-45よりクローニングした抗体H鎖およびL鎖の可変部遺伝子と,ヒトミエローマ細胞よりクローニングしたヒトIgA抗体H鎖定常部遺伝子を結合させ,ヒト抗CEA IgA抗体の組換え遺伝子を作製した。この組換え遺伝子を哺乳動物分泌タンパク発現用ベクターpSecTagに組み込み,CHO細胞にトランスフェクトし,クローニング後IgA抗体の発現量を調べたが,培養液中に数十ngオーダーの分泌しか見られなかった。そこで組換えIgA遺伝子を昆虫細胞発現用ベクターに組み込み,培養昆虫細胞株BmN4に発現させ,さらにカイコ幼虫での発現を試みた。その結果カイコ体液中に約20μg/ml{度で目的のrIgAが分泌された。体液より塩析とaffinity chromatographyにより約500μgのrIgAを精製した。このrIgAはCEAとの結合性を保持していることをELISAにより確認した。 2.抗CEAヒトrIgAによるin vitroでの抗体依存性細胞性細胞傷害(ADCC)の検討 健常人抹消血より単離した好中球をインターフェロン-γで刺激し,細胞表面にIgAレセプター(FcaRI)を増加させた。次に標的としてCEA発現CHO細胞を^<51>Crで標識し,抗CEAヒトrIgAと上記刺激好中球を加えてin vitroの細胞傷害アッセイを行った。その結果抗CEAヒトrIgAの濃度と好中球濃度的に標的細胞が障害された。このrIgAの代わりに抗CEAヒトIgG抗体を用いた場合には好中球による細胞傷害はみられず,IgAとFcαRIの結合によるADCCが働いたことが推察された。
|