2007 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性僧帽弁逆流における外科的弁輪形成術施行後の機能性僧帽弁狭窄
Project/Area Number |
19500431
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
尾辻 豊 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 教授 (30264427)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 隆造 産業医科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20325781)
鄭 忠和 産業医科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10163891)
西村 陽介 大学病院, 准教授 (50301338)
|
Keywords | 僧帽弁狭窄症 / 僧帽弁閉鎖不全症 / 左室リモデリング / 虚血性僧帽弁閉鎖不全症 / 心エコー図法 |
Research Abstract |
虚血性僧帽弁逆流に対し外科的弁輪形成術を施行した33例および正常者10名に対し,僧帽弁拡張期弁口面積を連続の式[(左室拡張末期容量-左室収縮末期容量)=僧帽弁流入血流量=僧帽弁口面積x血流の速度時間積分値)]により計測した。正常者では弁口面積と弁輪面積はほぼ同程度であった(4.7vs.5.1cm2,n.s.)。正常者と比べて外科的弁輪形成術を施行した症例では拡張期弁口が有意に低下していた(4.7vs.1.6cm2,p<0.01)。また,形成術後症例では弁輪面積よりも弁口面積の方が有意に狭窄していた(1.6vs.3.3cm2,p<0.01)。すなわち,狭窄部位は弁輪部ではなく弁口部であった。この拡張期僧帽弁口面積の低下は弁尖の可動性の低下と有意に関連し(r=0.56,p<0.01),左室拡大により減少する有意に相関も示した(r=0,41,p<0.01)。弁尖に器質的な病変はないのに有意な狭窄があるので機能性僧帽弁狭窄症という病名が適切と考えられた。機能性僧帽弁狭窄症例10例に運動負荷心エコーを行ったところ,運動中には僧帽弁狭窄が有意に悪化し(弁口面積:2.1vs.1.5cm2,p<0.01),機能性僧帽弁狭窄は動的に変化することが示された。弁輪形成による弁輪サイズの減少と左室拡大に伴う弁尖tetheringにより機能性僧帽弁狭窄が出現することが確認された。この病態は現在まで認識されておらず,今後の治療を考える上で重要と思われる。
|
Research Products
(4 results)