2007 Fiscal Year Annual Research Report
姿勢制御におけるフィードフォワード訓練の運動学習に関する研究
Project/Area Number |
19500432
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浅賀 忠義 Hokkaido University, 医学部, 准教授 (60241387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 芸 広島大学, 大学院・教育字研究科, 助教 (80457275)
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Keywords | 姿勢 / 訓練 / 筋モード / シナジー / 筋電図 / ヒト |
Research Abstract |
立位姿勢におけるフィードフォワード制御のパターン活動(筋モード)と筋モード間の協調性(筋シナジー)の学習効果を初めて明らかにした(Asaka T, et. al. Exp Brain Res, 2008).健常若年者8名を対象に,不安定板上でLoad Release(63回)とArm Swing(50回)の二つの課題による外乱刺激を5日間継続して行い(計904回/人),訓練前,3日後,最終訓練後に計測を行った.計測には床反力計と10筋の筋電図を用い,LabVIEWを用いてシグナルを収集し,MATLABを用いて解析した.外乱刺激時間は加速度計から決められた(t0).筋シナジーの解析にはuncontrolled manifold(UCM)解析を用いた.この解析手法は,1)10筋の外乱刺激前100msからt0までの積分筋電値による主成分分析から筋モードを同定し,2)固有値から算出される3つの筋モードと足圧中心(COP)の変位との重回帰分析からジャコビアンを求め,3)ゼロ空間への線形変換によって二つの直行するベクトル成分の分散を算出し,その比率から筋シナジーを定量化する.その結果,外乱刺激後に立位姿勢を崩す頻度が減少し訓練効果みられ,筋モードは同時収縮パターンから相反収縮パターンへと徐々に変化し,筋シナジーが有意に増強された.姿勢調節の運動学習によって筋モードと筋シナジーが変化したことから,中枢神経システムは筋モードを柔軟に制御し,訓練は筋モード間の協調パターンの順応をもたらすことが示唆される.バランス訓練における協調性の運動学習に関する基礎的研究となる.
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Research Products
(7 results)