2009 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄性筋萎縮症(I型)児に対する系統的なスイッチ活動を用いた自発的活動の遠隔支援
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19500433
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
境 信哉 Hokkaido University, 大学院・保健科学研究院, 准教授 (30299804)
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Keywords | 脊髄性筋萎縮症 / スイッチ活動 / 遠隔支援 / リハビリテーション / 作業療法 / コミュニケーション / パソコン / 系統的アプローチ |
Research Abstract |
平成21年度(最終年度)は、平成20年度に引き続き参加者に対する遠隔支援を中心に実施した。 [目的と方法]遠隔支援の内容は、我々が提唱するスイッチ活動における系統的アプローチに則った段階的なスイッチ学習活動を、対象者の家族や教師などが実施できるよう遠隔的に支援するというものである。この系統的アプローチとは、まずスイッチ操作と機器作動との因果関係理解を確立させ(段階1)、その後、将来的に意思伝達装置等の使用が可能となるようにスイッチ操作する指などの機能向上(段階2)やオートスキャンによる多肢選択を段階的に学習する(段階3)方法である。具体的には、パソコンに対象児の好む映像を流し、スイッチ操作によって映像の続きを観たり、オートスキャンで好む映像を選択したりする。選択率などの成績が画面に表示され、成績が十分なレベルまで向上すれば、次の段階へと進んでいく。なお、この遠隔支援は平成20年7月より随時開始し、現在に至る。 [経過]現時点(2010年3月末)で、系統的アプローチの必要がないと判断された3名を除いた15名を継続的に支援している。うち因果関係理解が成立(段階1)し、次の段階に進んだ者は7名であった。この7名のうち、第2段階を実施している者が2名、第3段階を実施している者が4名、本支援の目標である意思伝達装置の使用に至った者は1名であった。また、現在第3段階ではあるが、意思伝達装置の導入が近い対象者が2名いる。 [分析状況]我々は先に脊髄性筋萎縮症I型(以下、SMA I型)の現状に関するアンケートを実施しており、我が国におけるSMA I型の年齢ごとの機能状況、意思伝達装置の使用状況などの情報を得ることができた。遠隔支援の達成度とこれらの情報を比較することで、本支援の有効性を分析する予定である。
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Research Products
(4 results)