2007 Fiscal Year Annual Research Report
機能的MRIを用いた脊髄損傷者の運動野に関する機能的研究
Project/Area Number |
19500434
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
生駒 一憲 Hokkaido University, 北海道大学病院, 教授 (70202918)
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Keywords | 脊髄損傷 / 機能的MRI / 臨床 / 脳・神経 / リハビリテーション / ワーキングメモリー |
Research Abstract |
脊髄損傷者を対象として測定を行うために、平成19年度は予備実験として健常者に対し身体イメージ及び運動イメージの生成と運動野の関係についてfMRIを撮影し検討を行った。対象は、16例(男性13例、女性3例)で平均年齢22歳であった。すべての症例は、右利きで右の手足を用いて測定を行った。測定方法は、スクリーン上に映し出された視覚刺激を用い、(1)3人称イメージによる手指及び足指を握る動き(一定、不定、及び自由の3種類)を模倣して、実際に動かすこととその動きをイメージすること、(2)1人称イメージによる系列動作(母指の次に残る4指を握る一定、不定、及び自由の3種類)を模倣する同様の測定、(3)飛んでくるボール(途中で消える)を受け取るタイミング課題を、手及び足で実際に受け取ることと受け取ることをイメージすること、(4)手足の向きを記憶し指示に従ってその方向を変える試行を、実際に動かすこととその動きをイメージすること、を行った。すべての測定は、fMRI撮影後、MATLAB上でspm2を用いて解析を行った。結果は、3人称イメージで一定の動きで足指を握る動きをイメージする時に、左のSMA及び44・45野(ミラーニューロン?)の活動性が上がった。1人称イメージで不定な足指の系列動作の動きを模倣してイメージする時に、左のSMAと46野(ワーキングメモリー?)の活動性が上がった。ボールを受け取るタイミング課題では、足指でボールを受け取ることをイメージする時に、SMAと44・45野の活動性が上がった。今回の予備実験では、足の動きをイメージすることにより、44・45野及び46野とSMAの活動性が上がることがわかった。身体イメージの生成には短期記憶が重要な役割を果たし、SMAと連携して運動野へ送り出される運動イメージを形作るという報告もある。今回の測定では、44・45・46野がSMAと関連付けられることが示唆された。次年度は、下肢機能を失って数年を経た脊髄損傷者に対し、検討を行いたい。
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Research Products
(2 results)