2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中モデル動物による効果的なリハビリテーションの検討とその作用メカニズムの解析
Project/Area Number |
19500442
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石田 和人 Nagoya University, 医学部, 講師 (10303653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥橋 茂子 名古屋大学, 医学部, 教授 (90112961)
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Keywords | 脳出血モデル / 運動機能 / トレッドミル運動 / 運動強度 / 運動介入時期 / リハビリテーション / dark neuron / 運動療法 |
Research Abstract |
1.脳出血モデルラットを用いた効果的なリハビリテーションの検討 脳出血後のリハビリテーション(運動療法)についてより効果的な運動刺激条件を明らかにするため、コラゲナーゼ注入線条体出血モデルラットを作成し、トレッドミルによる運動強度および介入時期による効果の違いについて調べた。 (1)運動の強度:モデル動物作成4日後より14日後まで毎日30分間のトレッドミル運動を実施し、走行速度を常に9m/minとした群に比べ、4日後からは9m/minであるも7日後からは13m/minに速度増加を行った群で、より運動機能の回復が著しく、その効果は4週後まで維持を示した。 (2)運動介入の時期:モデル動物作成後トレッドミル運動を4〜13日後実施する群と7〜16日後実施する群(それぞれ10日間づつ)に分けて比較した(速度:9m/min、1日につき30分間)。その結果、脳出血発症後早期(4日後開始)に開始した群の方が運動機能の回復が良好であり、preliminary dataではあるが、脳出血による脳組織損失も幾分抑えられる傾向を示した。 以上より、脳出血後のリハビリテーションは、ある程度の強度を有する運動をより早期に実施することが効果的であると考えられた。 2.脳出血モデルラットの脳組織学的病態の解析 上述のモデル動物を作成し、脳出血直後から7日後まで、線条体および大脳皮質の残存面積および神経細胞障害の初期像であるといわれるdark neuron (Argyrophi III陽性ニューロン)の出現様式を観察した。その結果、線条体の残存面積は経時的に減少し、dark neuronは3時間後、血腫周辺で検出されるも、1〜3日後には、やや離れた部位でみられ、7日後には検出されなかった。以上よりdark neuronの出現は、脳出血による脳組織の傷害進展に関連しており、今後脳出血後のリハビリテーション効果を検証する上で注目すべきマーカーの一つであると考えられた。
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