2007 Fiscal Year Annual Research Report
運動機能回復の神経基盤となる脳領域特異性の検証とリハビリテーション介入の作用機序
Project/Area Number |
19500444
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三谷 章 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (50200043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大畑 光司 京都大学, 医学研究科, 助教 (30300320)
小野 泉 姫路独協大学, 医療保健学部, 准教授 (50169330)
松林 潤 京都大学, 医学研究科, 助教 (00452269)
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Keywords | 脳磁図 / 運動機能 / 運動関連脳磁場 / 20Hz脳磁場 / 運動イメージ |
Research Abstract |
脳卒中などの脳血管障害によって生じた運動機能障害からさまざまな回復段階にある実際の患者において運動機能の回復度を脳磁図を用いて検討するために、健常被験者において脳磁図を用いることによって運動機能に関連する脳活動をどのように評価できるかについて検索した。その結果、(1)口唇、手指(母指、示指、小指)、手首、足首の自発運動にともなって、反対側運動野においてそれぞれの運動発現に直接かかわっている皮質脊髄路ニューロンが発生する脳磁場と考えられるMF(motor field)がsomatotopyを形成して観察され、また、運動発現約1秒前から出現する緩やかな磁場変動RF(readinessfield)などの運動関連脳磁場(movement-related cortical field, MRCF)も観察されることを確認した。(2)正中神経刺激約0.5秒後に感覚運動野に誘発される20Hz律動脳磁場活動が実際の手運動を発現する際にほぼ完全に抑圧され、またその運動イメージを持つだけでも有意に抑圧されることが確認された。さらに、足運動についても同様の抑圧が観察されることがわかった。(3)この20Hz脳磁場活動は、他者の運動をより自分自身の運動に近似するものとして観察することができた場合に、自分自身の運動に近似するものとして観察することができなかった場合に比べて、より強く抑圧されることが示された。これらの実験結果は、健常者の運動イメージ形成を含めた運動機能に関連する脳活動を、MRCFや20Hz律動脳磁場活動を検索することによって、評価することが可能であることを示している。本研究により、運動機能障害からさまざまな回復段階にある患者の運動機能に関連する脳活動を脳磁図を用いて検討するために必要な基礎データが得られた。
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Research Products
(2 results)