2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500449
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉田 輝 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40347109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 聡 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00343369)
大渡 昭彦 鹿児島大学, 医学部, 助教 (30295282)
川平 和美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20117493)
上川 百合恵 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (70418854)
下園 由理香 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (80418855)
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Keywords | 温度受容体 / 神経因性膀胱 / ラット |
Research Abstract |
本年度は、温度受容体が、ラット膀胱平滑筋の収縮反応へ及ぼす影響について以下の検討をおこなった。 (1)排尿筋収縮に対するラズベリーケトンの作用の検討 熱受容体TRPV1の活性薬であるカプサイシンと類似した構造を持つラズベリーケトン(以下RK)の摘出排尿筋の収縮反応への影響とその作用のメカニズムを等尺性張力実験により検討した。 0.01〜3mMのRKは40mM KClによる収縮反応を濃度依存性に抑制した。また0.3,1,3mMのRKは0.01mMカルバコールによる収縮反応を濃度依存性に抑制した。また細胞外からのCa流入を阻害した状態でのカルバコール収縮に対しては、0.3,1mMのRKは抑制作用を示さなかったが、3mMのRKは著明な抑制作用を示した。以上のことから、RKは細胞外Ca流入を抑制することにより平滑筋収縮を抑制するとともに高濃度のRKは細胞内Ca動態にも抑制作用を持つものと考えられた。 (2)温熱刺激が排尿筋収縮に与える影響の検討 温熱刺激が摘出排尿筋の収縮反応へ及ぼす影響を等尺性収縮実験により検討した。 40mM KClによる収縮反応に対して40〜44℃の温熱を加えると自発収縮の振幅の著明な低減がみられたが収縮反応の抑制はごくわずかであった。一方、0.01mMカルバコールによる収縮反応に対しては40℃、42℃の温熱によりそれぞれ20%、30%の収縮抑制作用が認められた。この結果は、膀胱への温熱の適応により膀胱容量の増加、排尿筋過反射の抑制など、神経因性膀胱の治療における臨床上の効果が得られる可能性を示すものであり、現在、膀胱内への温熱の適用による排尿機能への影響についてシストメトリーにより検討中である。
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Research Products
(2 results)