2008 Fiscal Year Annual Research Report
片麻痺上肢用の免荷機能を有する促通刺激・反復運動療法システムの開発とその臨床応用
Project/Area Number |
19500450
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
辻尾 昇三 Kagoshima University, 工学部, 教授 (40081252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川平 和美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20117493)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30325782)
余 永 鹿児島大学, 工学部, 准教授 (20284903)
林 良太 鹿児島大学, 工学部, 准教授 (40288949)
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Keywords | リハビリテーション工学 / 脳卒中 / 片麻痺 / 上肢運動療法 / 免荷装置 / 促通刺激 / 機能的振動刺激 / 反復運動療法 |
Research Abstract |
本研究の目的は、片麻痺上肢を免荷して肩の負担を軽減し、上肢の随意性が容易に発揮できる状態で、多様な訓練運動を頻回に反復できる上肢運動療法装置を開発することである。上肢運動の随意性の容易な発揮を誘発するために、被験者に上肢免荷と促通刺激を併用する。また、訓練・検査過程を記録して、被験者の麻痺の回復過程を定量的に評価・判定することを目指す。 製作した運動療法システムを鹿児島大学病院附属霧島リハビリテーションセンターに設置して、臨床試験を行った。得られた知見を以下に示す。 1上肢の免荷装置を市販の免荷器具(ツールバランサー)を使用して製作した。上肢の挙上を伴うリーチング運動において免荷力は一定ではなく、1.2±0.4kgfと変化したが、免荷力の変化は訓練に影響を与えることはなく、免荷装置として良好に機能した。 2.上肢挙上が困難である被験者が、本装置によって上肢挙上を伴うリーチング運動を行うことができた。これまで介助による運動療法しかできなかった患者に、介助なしの訓練を実施できることが期待できる。 3.促通刺激として機能的振動刺激を上肢の伸展時に与えて、運動誘発と痙縮減少を期待した。痙縮の強い例では効果があり、運動失調の例では顕著な効果は認められなかった。 4.上肢の免荷に機能的振動刺激を併用することによって痙縮を抑えることができる例が多いことから、訓練量の大幅な増加につながり、効果的な運動機能回復訓練の実施が期待できる。 今後の課題として、症例数を増やして、痙縮増強が見られる例を中心に上肢免荷と機能的振動刺激を組み合わせた訓練の有効性の検証、ならびに本装置を用いた新しい運動療法の開発を進めることが重要である。
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Research Products
(1 results)