2007 Fiscal Year Annual Research Report
リハビリ教育訓練用ロボット開発のための四肢の運動制御の体系化
Project/Area Number |
19500454
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Research Institution | Toyama National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
百生 登 Toyama National College of Maritime Technology, 電子制御工学科, 准教授 (80239590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 徹 富山県立大学, 工学部, 教授 (60223806)
小柳 健一 富山県立大学, 工学部, 講師 (30335377)
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Keywords | 教育訓練用ロボット / 運動療法学 / 二関節筋 / 医療・福祉 / 機械力学・制御 |
Research Abstract |
社会生活に復帰するためのリハビリテーションに対する要望の高度化や,理学療法士数の飛躍的増加により,質の確保がますます重要となっている.そのなかで,実際に患者と向かい合って,評価や訓練を行うリハビリテーション手技の教育が重要となるが,療法士の資格を持たない生徒が実際の患者を診る機会は極めて少ない.膝関節の特性を種々の疾患に応じて制御可能な下肢ロボットの開発がなされているが,膝関節は股関節や足関節と二関節筋を介して関連しており膝関節の特性だけを再現したところで訓練生への教育効果は十分とは言えない.患者の四肢の力出力特性,粘性・剛性特性が忠実に再現される,二関節同時駆動アクチュエータを有するロボットが必要である. 当該年度はこれまでの二関節筋に関する研究の成果をリハビリ教育訓練用ロボットに応用することにより,患者の疾患を模擬し,筋の活性度に基づいた作業空間での力,剛性を発揮するロボットの開発を行った.開発したロボットは、胴体、大腿、下腿を模擬した3リンク機構に、股関節筋、膝関節筋に相当するDDモータと、二関節筋に相当するに関節同時駆動DDモータを有し、各DDモータのトルクとサーボ剛性により拮抗筋の出力をエミュレートすることにより、ヒトの下肢の出力を再現可能となっている. 試作ロボットを用いた性能試験により、3つのモータのサーボ剛性の組み合わせを変えることにより足先の剛性楕円の傾斜角を調整できることを確認した.しかし、DDモータのクーロン摩擦が無視できないため定量的には満足のいく結果とはならなかった.さらに、理学療法士などが外部からかけた力がDDモータにかからず摩擦力と相殺されてしまう問題点が明らかとなった.本年度は試作ロボットの問題点を解決すると共に理学療法士など実際に治療を行う専門家に訓練用ロボットを使用してもらい,二関節同時駆動アクチュエータを有する訓練用ロボットの有効性を検証する.
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