2008 Fiscal Year Annual Research Report
fMRIとトラクトグラフィーを用いた脳卒中後の大脳運動ネットワーク再構築の研究
Project/Area Number |
19500458
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
加藤 宏之 International University of Health and Welfare, 大学病院, 教授 (60224531)
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Keywords | 脳神経疾患 / リハビリテーション / 脳卒中 / 脳機能画像診断 / 片麻痺 / fMRI |
Research Abstract |
脳卒中後の運動機能(片麻痺)の回復は、大脳の運動ネットワークの機能代償や再構築、学習による新しい神経ネットワークの形成(可塑性)によってもたらされると考えられている。このような脳卒中後の脳に起こる生理学的、解剖学的な動的変化を計測、画像化し、脳卒中後の運動機能回復の機序を解明するために、われわれは、functional MRI (fMRI)と、MRIの拡散テンソル・トラクトグラフィー(DTT)による錐体路(皮質脊髄路)の描出の同時計測を行ない追跡した。 片麻痺の回復と大脳皮質運動ネットワークの再構築には次のような関連性があると考えられる。1,錐体路損傷が軽度な場合には、本来の運動ネットワークである対側一次感覚運動野、補足運動野、同側小脳の機能障害が回復することにより片麻痺が回復する。2,錐体路損傷が中等度で、本来の運動ネットワークが完全に回復できない場合には、関連する運動領域である同側一次運動野、運動前野、補足運動野や一次感覚運動野の周辺領域などの機能が、一時的または長期間、動員され代償することにより運動機能が回復する。3,錐体路損傷が高度の場合には、本来の運動ネットワークは使用できないので、関連運動領域を可能な限り動員し、運動ネットワークを長期的に再構築することにより(不完全ながらも)運動機能を回復させる。これらの運動機能の再構築には、非交叉性錐体路の代償、近隣関連領域の動員、新しい神経回路の獲得(学習)などによる神経系の可塑性を誘導していると考えられる。 さらに来年度は、症例数を増やして詳細に検討、考察する予定である。
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Research Products
(9 results)