2008 Fiscal Year Annual Research Report
音声障害者の音声リハビリテーション-発声機能・声帯振動デジタル解析による検討-
Project/Area Number |
19500462
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
牧山 清 Nihon University, 医学部, 准教授 (00139172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新美 成二 国際医療福祉大学, 保健学部, 教授 (00010273)
吉橋 秀貴 日本大学, 医学部, 研究医員 (50328738)
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Keywords | 音声障害 / 高速撮影 / 発声機能 / 声帯振動 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、重症音声障害例を対象に(1)気流阻止法による空気力学的評価、(2)高速デジタル撮影法による声帯振動評価、(3)音声評価を行った。手術前後や音声リハビリテーション前後でも検討を行った。 声帯振動データと音響データの同時解析を試みたところ次のような問題が判明した。音響分析では最低3秒間の持続発声サンプルを必要とするが、重症音声障害例では持続発声が困難である。音響分析ソフトを改造中である。中等症以下の音声障害例では音響分析雑音成分パラメータと声帯振動声門間隙パラメータとの間に関係を認めた。ゆらぎを表す音響パラメータは左右声帯や声帯前後での振動差が関係するが、現在までに開発した解析法ではこれらの差を数値化できない。さらなる声帯振動データ解析手法を検討中である。 通常の起声、硬起声、気息性起声の3種類の起声発声を検討した。喉頭調節が最も強いのは硬起声であった。気息性起声では呼気調節が大きかった。通常の起声では喉頭と呼気調節のバランスが優れていた。軽症以下の音声障害例では通常の起声が優れており、声門間隙が大きい重症音声障害例では呼吸機能に依存した発声モードになるものと推測された。 各解析結果を総合的に検討すると、重症音声障害例では周期的な振動が欠如している例が多かった。これは音質悪化に関連していた。また、健常例に比較してより大きな呼気パワーを必要とした。喉頭調節能力が低下しているためと考えられた。手術前後の検討より、声帯の物性や形状が改善すると優れた音質が得られることが確認できた。音声リハビリテーション施行例での検討から例え重症音声障害例でも喉頭調節と呼気調節を適切な方法に誘導することで声帯振動の改善が確認できた。音声リハビリテーションでは、最初に各症例に適した喉頭調節を指導し、その声帯を効率よく振動させるための呼気調節を会得させることが重要である。
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[Presentation] 声帯振動検査の最前線2008
Author(s)
木田 渉, 咲間奈央, 松崎洋海, 古阪 徹, 牧山 清, 池田 稔
Organizer
第487回目大医学会例会
Place of Presentation
東京、駿河台日大病院
Year and Date
2008-12-04
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