2007 Fiscal Year Annual Research Report
人工心臓装着中の重症心不全患者に対する足熱療法による血管内皮機能・心機能改善効果
Project/Area Number |
19500469
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
駒村 和雄 National Cardiovascular Center Research Institute, 循環動態機能部, 室長 (90311448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 倫子 国立循環器病センター研究所, 臓器移植部, 医師 (30450886)
簗瀬 正伸 国立循環器病センター研究所, 臓器移植部, 医師
小田 登 国立循環器病センター研究所, 臓器移植部, 医師
中谷 武嗣 国立循環器病センター研究所, 臓器移植部, 部長 (60155752)
|
Keywords | 温熱療法 / 心不全 / 血管内皮機能 / 人工心臓 / 心臓移植 / リハビリテーション |
Research Abstract |
心臓移植医療は、末期的心不全に対する究極の根治治療法として医学的には確立しているが、全世界で年間約3000例施術されているのに対し、本邦では臓器移植法施術後10年間にわずか50例にとどまった。当然、移植でしか助からない心不全患者の待機期間は長期間に及び、平均で2.3年(日本臓器移植ネットワーク調べ)となっている。待機中ほぼ全員が補助人工心臓装着術を施行されて容態が安定するが、人工心臓を装着すると退院できないばかりか全身水浴も困難となる。 そこで我々は、心不全において低下している血管内皮機能を改善し、2次的に心不全をも改善することを目的に、人工心臓装着患者に対するスチーム浴を用いた足熱療法を計画した。42度15分間のスチーム浴を毎日1回2週間継続し、前後にて血管内皮機能、心機能、神経体液性因子を計測する。これまで5例がエントリーし、全例で血管内皮機能の改善、3例で心機能の改善、全例で酸化ストレスの低下を認めた。今後、症例数20例を目標に、症例数を増やしていく予定である。 末期的超重症心不全に対して最大限の薬物療法と人工心臓まで用いた治療を施行されている患者が更に改善したわけである。足熱という伝承医療が、更なる改善の余地がないと思われている患者の状況を改善した事は、本治療法の最先端医療とはまた異なる機序での臨床的効能を示唆している。我々は、この成果をより深く探求して、より広く一般の心不全基本治療法に応用できるような改良を加えたく考えている。
|