2008 Fiscal Year Annual Research Report
足関節に対する受動的運動を利用した遠隔ニューロリハビリテーションデバイス
Project/Area Number |
19500471
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
太田 裕治 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (50203807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
會川 義寛 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (50111563)
椎尾 一郎 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (90297101)
水村 真由美 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (60292801)
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Keywords | 生物・生体工学 / 生物物理 / 医療・福祉 / 神経科学 / リハビリテーション |
Research Abstract |
平成19年度に開発した神経リハビリテーションのための足関節受動運動訓練デバイスを用いて,ニューロリハビリテーション実験を行った.検証項目としては,訓練中の下肢筋群から生じる筋電信号の評価ならびに足関節の柔軟性の評価とした.対象は,健常者12名,慢性脳卒中患者25名,急性患者9名であった.被験者は椅子上安静座位を保ち,両足をデバイス上のフットプレートに載せた状態で,足関節を中立位置から底屈背屈方向に±10度に回転させた.フットプレートの回転速度を4段階に変化させたストレッチング運動を計40回試行し,その間の下肢主要筋群の筋電図を計測した.以上の評価実験を通じ,すべての被験者で受動運動は安全に施行し得た.また受動運動の間,ほとんどすべての患者で麻痺肢と健常肢の両方から筋電信号が得られた.受動運動により筋放電が得られたことは,ストレッチングにより固有受容器からの求心性入力が提供できることを意味し,従って,その運動は神経リハビリテーション効果を有する可能性があると考えられた.また,麻痺領域に生じる筋萎縮や骨萎縮,関節拘縮などの廃用性変化に関しては,足関節柔軟性の改善の評価として,平成19年度に開発された水平面内回転型関節スティフネス計測装置による評価を行った.すなわち,被験者を横臥状態とし,足関節を水平面内で背屈方向・底屈方向に±20度程度回転させることで,足関節回転時の負荷トルクを計測した.このスティフネス特性は,上記の運動訓練により変化することが分り(柔軟性が向上する),運動訓練は有効と考えられた.今後,神経筋機能と柔軟性の関連性につき検討する必要がある.
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